少し前の『朝日新聞』の記事;
日馬富士は書類送検もされて、引退に追い込まれたのに*1「停職2カ月」で済んだなんてラッキーすぎるよねと突っ込みを入れたら、パワハラということになるのだろうか。
高校教諭、生徒に「ぶっ殺す」 平手打ちで鼓膜破る
2017年12月13日08時29分
岩手県教育委員会は12日、生徒3人に体罰をしたとして、盛岡教育事務所管内の県立高校の男性教諭(40)を停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。
県教委によると、教諭は10月27日、顧問を務める運動部に所属する1年生の男子生徒3人が練習での指示を行っていなかったことから、ほおを平手で1回ずつたたき、「今後このようなことがあったらぶっ殺す」と発言した。1人は左耳の鼓膜が破れたという。教諭はすでに顧問を外されているという。
http://www.asahi.com/articles/ASKDD5Q71KDDUJUB00Y.html
「ぶっ殺す」というと物騒だけれど、男同士のため口ではそう珍しいことでもないだろう。鼓膜を破られた生徒の方も、てめぇこそ「今後このようなことがあったらぶっ殺す」と言い返してやればよかったのだ。
さて、部活動というのが教師にとって重い負担になっているということはよく聞く。月月火水木金金の忙しさだけでなく、泳げないのに水泳部の顧問をやらされたり童貞なのにナンパ部の顧問をやらされるということはさすがにないものの、全然経験したことのない種目の顧問をやらされるということもよくあるらしい。その場合、マニュアル本やWikipediaで最初から勉強ということになり、パフォーマンスに生徒が模倣するに値する技量があるわけではなく、知識も付焼き刃になってしまう。その場合、生徒に対する教師の権威を確立することは困難になる。凄いことに対する尊敬から教師に対する複縦が導かれる筈だからだ。勿論、この「ぶっ殺す」先生が、素人なのにいやいやながら顧問にされ、だったのかどうかは知らない。もしかしたら、高校時代や大学時代にその種目で全国大会に出場したというキャリアを有しているのかも知れないし、そうでないかも知れない。何れにせよ、この高校で教師の権威を維持するというのは相当に困難になったのではないか。生徒が教師の言うことを聞かないで勝手なことばかりやっていれば、そこに教師の権威は不在だということになるし、表面的には従順のように見えるけれど実は暴力や恫喝に支えられているという場合でも、そこには権威は不在である。権威的な関係が困難であれば、ため口的な関係を追求した方がいいんじゃないか。
*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171114/1510680077 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171115/1510758946 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171117/1510890688 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171129/1511961577 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171202/1512203031 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171204/1512313317 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171215/1513351578 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171216/1513392343