鶴見/辻井/上野

11月末に読了していた本2冊。

期待と回想 語りおろし伝 (朝日文庫 つ 12-1)

期待と回想 語りおろし伝 (朝日文庫 つ 12-1)

鶴見俊輔『期待と回想』*1

きせる学問――まえがきにかえて


1 アメリカ哲学と出会う
2 かるたの思想
3 記号のプラグマティズム
4 転向について
5 意志のあるところ
6 アナキズムは何の方法か
7 伝記のもつ意味
8 外からのまなざし
9 編集の役割
10 雑誌『思想の科学』の終わりとはじまり


自己批評――あとがきにかえて


阿吽の会について――この本ができるまで(塩沢由典)
解説――マチガイ主義がわかりにくかった時代(津野海太郎
主な作品年譜
索引

ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)

ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)

辻井喬上野千鶴子『ポスト消費社会のゆくえ』*2

まえがき(上野千鶴子


第一章 1950's〜70's
1 前史
2 激動
3 成長
第二章 1970's〜80's
1 黄金期
2 第十期
3 拡大戦略
4 文化財
5 変貌
第三章 1990's〜
1 失敗
2 解体
3 再生
第四章 2008
1 戦後共同体から遠く離れて
2 産業社会の終焉


あとがき(辻井喬
参考文献
セゾングループ概略史

2008年の段階では多くの人がこのように思っていたのでは?

上野 ナショナリストとお聞きすれば、鶴見俊輔さんと小熊英二さんとの鼎談『戦争が遺したもの』(新曜社・二〇〇四年)で、小熊英二さんから「上野さん、あんただってナショナリストだよ」って宣告されました((笑)。彼は『〈民主〉と〈愛国〉――戦後日本的ナショナリズムと公共性』(新曜社・二〇〇二年)のなかで、ナショナリズムを「公」にかかわる言説の一種として広い定義を与えています。「愛国心は卑怯者の最後の隠れ家」という言葉もありますが、たいへん危険な政治家が歴史も知らずに「戦後レジームの改革」などと言い出したあげく、再起不能なかたちで失脚してくれたことはたいへん嬉しゅうございます。
辻井 同感です。(pp.269-270)*3
因みに、小熊氏の定義には賛成しない。