辻井喬(堤清二)は上野千鶴子との対談本『ポスト消費社会のゆくえ』*1で、戦時中に国家によって煽られた反米のパッションを戦後掬い取ってくれたのは日本共産党だけだったと語っています。ただ、他の「旧枢軸国」の「過激派」については判断をちょっと留保したい。伊太利の場合は、内戦の末にムッソリーニを打倒したというのが戦後のアイデンティティの基礎になっていますよね。ただ、その後のプロセスは日本と似ている。ユーゴスラヴィアと国境を接する伊太利では冷戦の最前線ということで(裏社会も含む)多少の腐敗は国際的にも目を瞑られることになった。「赤い旅団」については、ウンベルト・エーコ*2がカトリック文化との関係を考察しています(Travels in Hyperrealityに所収)。
id:nessko
>反米
これが根っこでしょうね。
犯罪実話マニアとしては、70年代頃に目立った、日本赤軍、バーダー・マインホフ、赤い旅団などの過激派がいずれも旧枢軸国発という点に着目したいです。
日本で出された重信房子(=日本赤軍)関連のムックは、60年代の日本の大学生文化に焦点を当てた作りになりがちで、当時の過激派のテロ活動(中東情勢やソ連も絡みます)を中心に据えて作ってくれないのが、ざんねんです。
*1:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140106/1388966577 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20171024/1508822563
*2:http://www.umbertoeco.it/ See eg. https://en.wikipedia.org/wiki/Umberto_Eco https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B3 Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060813/1155440006 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070305/1173067919 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070307/1173234120 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070315/1173952265 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091001/1254374520 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101030/1288370909 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101223/1293085550 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110715/1310706171 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111203/1322895817 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140630/1404104626 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140712/1405130782 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140825/1408943394 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160220/1455977585 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160520/1463710878 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/09/14/105522 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/11/22/102841