「将来の生活への不安」

2ちゃんねる」が「5ちゃんねる」になったのとはまあ関係ないね*1

最初は『朝日新聞』の記事で知ったのだが*2、『産経新聞』や『毎日新聞』の方が詳しいようだ。
産経新聞』曰く、


2017.11.16 12:15

チャネラーを脱税容疑告発 4800万円免れたか



 超常的な存在と交信して得た情報を人に伝えることをうたう「チャネリング」で得た収入を隠して約4800万円を脱税したとして、東京国税局が所得税法違反の疑いで千葉県市川市の山本千春氏(48)を千葉地検に告発したことが16日、関係者への取材で分かった。山本氏のような職業は「チャネラー」と呼ばれる。

 関係者によると、山本氏は「千さん」の名で活動。各地で客を集めて有料のセミナーを開いているほか、1回1万5千円ほどの料金で個人向けカウンセリング「セッション」も行っているという。

 山本氏は平成25〜27年、収入の一部を自分名義の簿外口座に振り込ませていたほか、現金で受け取った収入を申告しないといった方法で所得を計約1億3200万円少なく見せかけ、税を免れた疑いがあるとされる。

 隠した資金は金融機関に預金したり、自宅に現金のまま保管したりしていたとみられるという。
http://www.sankei.com/affairs/news/171116/afr1711160018-n1.html

毎日新聞』;

所得隠し 「チャネラー」1.3億円 「宇宙と交信」相談

毎日新聞2017年11月16日 11時48分(最終更新 11月16日 15時45分)



 「地球から遠く離れた銀河にいるおじいさん5人と交信して、あなたの悩みに応えることができる」との触れ込みで、依頼者から得た相談料を隠して脱税していたなどとして、千葉県市川市の女性が所得税法違反の疑いで東京国税局から千葉地検に告発されていたことが、関係者への取材で分かった。2015年までの3年間で計約1億3200万円の所得を隠し、約4800万円を脱税していたという。

告発されたのは山本千春氏(48)。関係者によると、山本氏は異次元の存在と交信する「チャネラー」と呼ばれ、全国各地でセミナーを開催。2013〜15年、講師料や個別面談の相談料、グッズ販売代金などの一部を隠し口座に振り込ませるなどして、所得を過少申告した疑いがある。将来の生活への不安などから、浮かせた現金をタワーマンションにある自宅のクローゼットに袋づめにして隠したり、預金したりしていたという。

 毎日新聞は山本氏に文書で取材を申し込んだが、回答はなかった。【松浦吉剛】


面談1時間1万〜2万円
 複数の関係者によると、山本氏は1990年代後半から生き方や家族との関係などについて、ボランティア的に相談を受けるようになり、「千(せん)さん」「ちい様」と呼ばれた。約10年前からセミナー活動を本格化させるようになったという。

 個別面談では1時間当たり1万〜2万円の相談料を得ていた。予約は半年待ちだった時期もあるという。「幸せになるための宇宙からのメッセージを聞き、パワー満タン」「千さんの話は夢物語かもしれないが、どこか癒やされる」−−。インターネット上には、相談を依頼した人たちの好意的な感想も散見される。

 関西地方でセミナーを主催した関係者は「自分の悩みを話すような人ではなかったが、脱税は意外だった」と話した。【松浦吉剛】
https://mainichi.jp/articles/20171116/k00/00e/040/279000c

「将来の生活への不安」という動機は俗っぽくてなかなかいいよね。「地球から遠く離れた銀河にいるおじいさん5人」は何かいいアドヴァイスをしてくれなかったのだろうか。
さて、

佐藤英典「自称チャネラーが1億3000万所得隠しで告発! スピ系にハマった男が「チャネリング」のヤバさについて説明する」https://rocketnews24.com/2017/11/16/982912/


チャネリング」界の内幕に言及している。売れっ子の「チャネラー」は儲かるということはわかるけれど、「ヤバさ」についてはちょっとぴんと来ない。


私がスピリチュアル系にハマっていた頃は、未知の世界に触れているような気がして、ワクワクしていた。時には面白半分にセミナーを受けまくっていたのだが、受講者の中にはガチで救いを求めて盲信している人も少なくなかった。

そんな日々のなかで、自称チャネラーって本当にヤバいなと思ったことがある。その人が、何かに取り憑かれたみたいになってしまったのだ。強い自己暗示の結果なのかよく分からないのだが、感情をコントロールできなくなったかのように、泣いたり喚いたりして、恨みの言葉を延々と吐き続けていた……。

その時以来、私はその人に会うことはなく、「チャネラー」と名乗る人がヤバい人であると認識している。ちなみに、別の自称チャネラーが類似した状況に陥った話も聞いた。とにかく、この手のものは形あるものではないので、意見を求めるにしても参考程度にする方がいいと思う。中には本物もいるかもしれないけど、ニセモノと判別しにくいから厄介なのだ。

まあ「チャネリング」というのは要するにハイカラなシャーマニズムですよね。「感情をコントロールできなくなった」云々というのは、「本物」かどうかというよりも、熟練に関係があるのでは? つまり、「チャネラー」として未熟だから、「感情をコントロールできなくな」ってしまう。シャーマンがそうであるように、熟練を重ねると、自らのトランス状態をかなりの程度統御できるようになるのでは?*3。 逆に、意識状態が全然変容しないことの方が霊的には問題であろう(霊的不感症?)。大川隆法は自称「チャネラー」だったけれど、全然意識が変容しないというか、憑り付かれているのではなく、たんに声色を変えて話しているだけだということがあからさまにわかったという(cf. 米本和広『大川隆法の霊言』*4)。
大川隆法の霊言―神理百問百答

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