エリートが好き?

畠山勝太*1「日本人は「エリート」が好き? 衆議院選の結果から見る、女子教育の拡充がジェンダーギャップ指数の改善に欠かせない理由」http://wezz-y.com/archives/50669


上掲のテクストの主要な論点からは外れるのだが。政治家と学歴を巡って。


先月実施された衆議院選挙で議席を獲得した465名の教育水準(学校歴・学歴)を調べてみました。

 465名の衆議院議員の学校歴は、東京大学または京都大学から学士号を取得した者が112名おり、衆議院議員の約1/4がこれらの大学の出身者です。そして、早稲田大学慶應義塾大学旧帝国大学のいずれかから学士号を取得した者が120名に上ります。つまり、人口の僅か数%にも満たないこれらのトップスクール卒業生だけで、衆議院議席の半数が占められていることになります。

 この傾向は比較的政党間でも安定しており、自民党で半数、立憲民主党で約42%、希望の党で72%の衆議院議員がこれらのトップスクールの卒業生となっていました。その他の大学については括り方が難しいので具体的な数値には踏み込みませんが、残りの半数の衆議院議員についても、かなり名の知れた大学(例えば、神戸大・一橋大・上智大など) の卒業生が多い印象を受けました。

 次に学歴をみると、衆議院議員のうち、最終学歴が大卒未満(大学中退もここに含まれます)の者はわずか20名(約4%)しかいませんでした。日本の25-64歳に占める非大卒者の割合が約半数であることを考えると、衆議院議員が国民全体と比べてかなり高学歴であることが読み取れます。この傾向は大学院にも当てはまり、衆議院議員の134名、つまり約30%は大学院の修了者となっています。また、海外で学位を取得した者も67名いました(元官僚の議員が、税金で留学する「官費留学」で海外の修士号を取得しているケースも少なくないので、やや割り引いて考える必要はあるかもしれません)。

 これらの数値から、有権者は学校歴も学歴もかなり高い人達に一票を投じており、日本の有権者はかなりエリート好みであることが読み取れます。

「日本の有権者はかなりエリート好みである」というなら、国際的な比較データも示してほしいよね。例えば、米国の連邦下院議員におけるアイヴィ・リーグ出身者の割合とか、英国の庶民院議員におけるオックスブリッジ出身者の割合とか。
さて、


畠山勝太「日本のトップスクールが男女不平等を拡大させているという罪」http://wezz-y.com/archives/37345


「日本のトップスクール」(「旧帝国大学」)における女子学生の比率が驚くほど低いということ。女子学生が30%を超えているのは大阪大学名古屋大学だけ。