「ストレート」にしたのが運の尽き

承前*1

Kyla Ryan*2「私は日本の学校に通った外国人。「黒髪ストレート」の校則と立ち向かった話」https://www.buzzfeed.com/jp/kylaryan/my-curly-hair


この人、「日本生まれ、日本育ち」で、「小・中・高と、外国人は私1人だけ」という環境に育ったという。


私は中学校に行くことが本当に怖かった。「いじめ」があることを知り、一番目立つ自分が標的になるのではないかと心配でたまらなかった。

そんな私に母と祖母はある提案をした。「髪、ストレートにしてみたら?」

私の地毛は強めの天然パーマで金髪。せめて髪の毛をまっすぐにすればより周りに溶けこめるのではないか。私は母と美容院に行き、くるくるの髪の毛をまっすぐにした。

これが大きな間違いで、私の母は今もまだ後悔しているという。

中学校に入学し、最初の数ヶ月は問題なく過ごした。突然来た外国人にびっくりしたのか、よく教室まで先輩が私を見に来た。

私は極力目立たないように過ごした。先輩には必ず敬語で話し、とにかく反感を買わないように気をつけた。

でも、縮毛矯正が取れ、根元や顔の周りに地毛のパーマが出てくる。月に1回は縮毛矯正をしないとダメで、金銭的にも髪へのダメージを考えても良くなかった。私はいやいや髪の毛を元の天然パーマに戻した。すると、私の学校生活は豹変した。


学校には「髪を染めたり、パーマをかけたりしてはいけない」という校則があった。いわゆる「黒髪ストレート」だ。なので、元に戻したら「校則違反」になった。

「なんでパーマかけてんだよ」「キモい」「外人のくせに調子乗るな」廊下を歩く時、全校集会の時、休み時間の時、毎日言われ続けるようになった。

先生は私を呼び出し、「その頭どうしたの。戻しなさい」と怒る。「これは地毛」と言っても、信じてくれない。

地毛が天然パーマであることは、小学校の友達も含め、誰も信じてくれなかった。母が学校側に言っても何も変わらなかった。

みんな私を避けるようになった。恐れていたことが起き、いじめを受けるようになった。いじめに耐えられなくなり、私は不登校になった。

学校側は困り、別室を用意され、そこで1人で1日を過ごすようになった。他の生徒たちが部屋の前を通るたびに見つかるのではないかと怯えていたのを覚えている。

この状況に呆れた親は私を転校させた。転校先は完璧ではなかったけど、怯えて過ごすことはなくなった。

今思い返しても、全ては私の髪の毛から始まった。「黒髪ストレート」の決まりがなければ…