吉川慧「もしスティーブ・ジョブズが日本の工場で働いたら? 出口治明APU学長がめざす、これからの人材教育」http://www.huffingtonpost.jp/2018/02/15/deguchi-apu_a_23362247/
出口治明という方についてちょっと失礼な書き方をしたことがあるのだが*1、立命館アジア太平洋大学(APU)*2の学長になったのね。
さて、インタヴュアーの吉川氏は、大阪の某高校における黒髪強制事件*3の話を振っている;
ここも切り取っておく;
――APUのように多様性を重んじる教育機関がある一方、生まれつき茶色い髪の生徒に黒染めを強要した高校があったという報道もありました*4。多様性や個性が認められる社会になるために、日本には何が必要なのでしょうか。
めちゃくちゃな話ですよね。
多様性については、僕が日本生命時代にロンドンに駐在していたときに経験したエピソードが参考になると思っています。
当時、僕は日本生命のロンドン事務所長を勤めながら、日本人学校と日本人向けの病院の管理を担当する日本人会の理事もやっていました。
その時に知った、ロンドンの幼児教育の話がとても印象に残っています。
ロンドンの幼稚園では、はじめにまずクラスの全員をお互いに向かい合わせに立たせて、相手をじっと見つめさせるんですよ。
――見つめさせるだけ?
はい。子どもたちはクラスの全員とそれをやる。終わったら先生が「同じ人はいましたか?」って聞くんです。そうしたら、一卵性双生児がいない限り「みんな違う」と答えるわけです。
そして先生は次の質問を出すんです。「じゃあ、考えてることは一緒ですか、違いますか」って。
すると子供達は「外が違うんだから、中も違うよね」と答えるわけです。そして「それなら感じたことや思ったことは、言わなければ相手に伝わらないよね」と、みんな納得する。
「一人ひとりが違うことは当たり前だ」と小さな頃から教えるんですね。これがイングランドの教育だったんです。
日本は、近代の高度産業社会を基礎づけた3つの要素、化石燃料も鉄鉱石もゴムも持ってないわけですから、むしろ先進国の中では1番にグローバリゼーションに対応していかないと、栄えることはできない国です。アメリカのように化石燃料が「山ほど出るで!」という国は自国ファーストで生きていくこともできるでしょう。でも、日本は平和な世界を築き、その中で自由に交易をやることによって、豊かな国をつくるしかないのです。
世界の先進国の中で、最もグローバリゼーションが必要な国は日本だと思っています。
*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171025/1508901364
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160419/1461021089 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160721/1469112238
*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171029/1509242444 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171030/1509328817 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171031/1509449109 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180225/1519519246
*4:南麻理江「生まれつき茶色い髪の黒染めを強要⇒海外メディアが続々「日本の厳しい校則」報道」http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/27/dye-hair-black-for-school_a_23259002/