差別は続く

拙blogで言及することはなかったけれど、原発事故のために福島県から避難してきた子どもに対する悪質ないじめが問題になっている。
福島から遠く離れた兵庫県西宮の話。
朝日新聞』の記事;


関学大講師「放射能浴び光ると…」 福島出身学生に発言

吉沢英将

2017年2月21日10時51分

 兵庫県西宮市の関西学院大学で2014年、外国人の男性講師が授業中、福島県出身の女子学生に「放射能を浴びているから電気を消すと光ると思った」と発言したことがわかった。大学は、講師を今月17日付で減給3カ月の懲戒処分とした。

 大学によると、学生は14年春、教育学部に入学した。男性講師は40代で、非常勤という。発言は14年秋、約30人が受ける英語の授業であった。出身地を尋ねられた学生が「福島県です」と答えると、講師は教室の電気を消し、この問題発言をしたという。

 学生は、発言を「差別的言動」と感じてショックを受け、大学の授業を休みがちになったが、当時は大学に訴えなかった。

 16年4月、大学に「ハラスメント相談センター」が新設されると、学生は4月下旬にセンターを訪問。複数回相談を重ね、10月下旬、正式にハラスメント事案として申し立てた。

 大学は11月以降、講師から事情を聴取。講師は「電気を消したか記憶にない」としつつも発言を認め、「冗談のつもりだった」として謝罪する意向を示した。大学は3月末で講師との契約を打ち切るという。

 伊藤正一副学長は「被害学生や東日本大震災被災地の皆様に深くおわびする。教職員の自覚を促し、再発防止に努める」とコメントしている。(吉沢英将)
http://www.asahi.com/articles/ASK2P310PK2PPIHB003.html

『読売新聞』;

放射能で光ると思った」外国人講師が差別発言
2017年02月21日 07時15分


 関西学院大兵庫県西宮市)の外国人講師が、福島県出身の女子学生に対し、「放射能を浴びているから電気を消すと光ると思った」と発言していたことがわかった。

 女子学生は精神的ショックで体調を崩しており、休学も検討しているという。大学側は「差別的な発言だった」と認め、今月17日付で講師を減給3か月の懲戒処分とした。

 女子学生は2014年4月、福島県内の高校から同大学に入学した。

 大学などによると、同年秋、女子学生が英語の授業を受けていた際、40歳代の外国人非常勤講師が教室の電気を消し、日本語と英語で「(福島県出身なのに)光らないな」などと発言したという。授業は約30人の学生が受講していた。

 女子学生は当初我慢していたが、昨年4月に同大学のハラスメント相談センターに申告。その後、授業を休むようになった。

 同大学の調査に講師は「電気を消したことは覚えていないが、発言は間違いない。冗談のつもりだった。女子学生に謝罪をしたい」と話しており、新年度の講師を辞退する意向という。

 同大学広報室は「教育現場でこのようなことがあってはならない。二度と起こらないよう努めていくとともに、女子学生を支援していきたい」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170221-OYT1T50024.html

また、

「言うこと自体おかしい」講師差別発言に復興相
2017年02月21日 11時42分


 関西学院大兵庫県西宮市)の外国人講師が福島県出身の女子学生に対し、東京電力福島第一原発事故を引き合いに差別的発言をしていた問題で、今村復興相は21日の閣議後の記者会見で「(発言は)事実無根で、そのようなことを言うこと自体おかしい」と述べた。

 同大などによると、講師は英語の授業中、「放射能を浴びているから電気を消すと光ると思った」などと発言した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170221-OYT1T50062.html

日本中がしっちゃかめっちゃかになっていた311直後だけでなく*1、2014年になっても福島差別は続いている。「放射能」を浴びると光るというのは、今村雅弘の指摘を俟つまでもなくトンデモなのだが、このトンデモ言説の出所は何処なのだろうか。また、かなりありふれたものなのだろうか。そこら辺がよくわからない。「そのようなことを言うこと自体おかしい」というのはその通りなのだが、この英語の先生が問題発言をしたときの、ほかの学生の反応はどうだったのだろうか。大受けだったのだろうか、それともどん引きだったのだろうか。大受けだったら、先生と同罪だといえるだろう。他方、どん引きだったとして、先生がその場で空気を読んで謝罪していれば、事態はこれほど複雑にはならなかったかも知れない。