平成の大火?

朝日新聞』の記事;


新潟県糸魚川市で大規模火災 140棟延焼、避難勧告も

2016年12月22日17時14分

 22日午前10時半ごろ、新潟県糸魚川市大町1丁目のラーメン店の台所に煙が充満していると、近所の商店から119番通報があった。県警糸魚川署や市消防本部によると、海に向かって風が強く、火元から海岸までの約300メートルにわたって住宅や商店など約140棟が延焼し、6時間以上経った午後4時45分現在も炎上している。市は同日午後0時20分、大町2丁目と本町の計273世帯586人に避難勧告を出した。

警察などによると、これまでに煙を吸った女性1人が救急搬送され、避難中に転んだ女性が頭を打ったという。東北電力によると、火災の発生している糸魚川市本町と大町1丁目、2丁目を中心に、22日午前11時過ぎから約400世帯が停電し、午後4時現在も停電が続いている。糸魚川市は、避難した市民に市民会館を開放した。

 新潟県は午後1時に災害対策本部を設置し、米山隆一知事が午後2時に陸上自衛隊災害派遣を要請。同県上越市陸自高田駐屯地から消火に当たる部隊が現地へ向かった。市消防本部は近隣自治体に応援を要請。政府は首相官邸内の危機管理センターに情報連絡室を設置した。

 現場はJR北陸新幹線糸魚川駅北側の商店街で、飲食店などが密集している。JR西日本によると、北陸新幹線は通常通り運行している。

 気象庁によると、日本海側の低気圧に南風が吹き込んでいるため、糸魚川市では22日午前10時すぎに最大風速14・2メートルを記録、最大瞬間風速は正午すぎに24・2メートルを記録した。
http://www.asahi.com/articles/ASJDQ4Q6XJDQUOHB00G.html

日本におけるこれほどの火事はひょっとして、阪神大震災以来?

「あちこちで火の手、空襲のよう」 糸魚川の大規模火災

2016年12月22日18時52分

 大規模な火災にあった新潟県糸魚川市本町で呉服屋を営む男性(62)は、昼ごろの緊急避難指示で店舗を出た。「あちこちから火の手が上がって空襲のようだった。今、店の中まで火が入ってきている。うちが燃えたら、隣にも燃え移ってもっと大変なことになる」と心配そうに見ていた。

 「築80年以上の建物が立ち並ぶ通りで、酒屋や料亭、旅館など糸魚川を代表するような建物が焼けてしまった。ここのシンボルだった。これ以上、飛び火しないで欲しい」と話した。

 火災現場近くに住む男性は「午前11時ごろ、消防のサイレンなどが騒がしかったため、家の外に出た。あたりは煙が充満していた。しばらくすると、風にあおられて、その火の粉が、家々の瓦の間に吸い込まれるように入っていった」と語った。また、「このあたり一帯は、築数十年以上の古い木造住宅が密集している。火事になったらまずいなとは思ったこともあるが、まさか、ここまでとは……」と話し、肩を落とした。

 火災現場を心配そうに見つめていた女性(77)は「50年近く糸魚川に住んでいるが、こんな大火は初めてだ。糸魚川は(火事があると)1棟の被害だけでは終わらない。めいっ子の事務所も燃えてしまった」と話した。同市一の宮の室川孝彰さん(77)は「糸魚川は南風の強い地域。こんな大きな火事は初めてだ。中学3年の時の糸魚川駅前の大火以来だ」と驚いていた。

 火災現場に近い同市本町6丁目の陶磁器販売店では、延焼に備えて高級な商品を蔵にしまう作業を続けた。店の女性(64)は「てんてこ舞いしています。雨が降ってきたので、これで何とか収まってほしい」と語った。

     ◇

 避難所となった市民会館のロビーは、避難した住民や対応にあたる市の職員らであふれた。知り合いが運転するトラックに乗り、3人で避難してきたという一人暮らしの女性(70)は「友人の何人かの家が焼けてしまった。自分の家もどうなっているか、まったく分からない」と不安そうに話した。けがはしていないという。「駅前は古い家が多いので、火が広がってしまった。(出火元とされる)ラーメン店にも良く行きました。残念で、悲しい」と語った。
http://www.asahi.com/articles/ASJDQ5VMCJDQUTIL03W.html

この火事が炙り出したもの、それは様々な意味における〈記憶〉かも知れない。それは、この火事が〈平成の大火〉というふうな名前で記憶されるであろうということだけではない。「築80年以上の建物が立ち並ぶ通りで、酒屋や料亭、旅館など糸魚川を代表するような建物が焼けてしまった」。街並みがこの火事によって一変してしまったということだろうか。つまり、以前からの街の風景はこれ以降生き残った人々の記憶としてしか存在しなくなる。その意味で、その衝撃はかつての「空襲」に匹敵するのだろうが、これを語っている人は80代以上の人だろうなと思ったら、なんと62歳の人だった。「空襲」など体験した筈もなく、(年寄りから聞いたであろう)伝聞と記憶のすり替えが起こっている。また、過去の大火事の記憶も喚起されている。「中学3年の時の糸魚川駅前の大火以来だ」と語る77歳の男性。

新潟・糸魚川の火災鎮圧、延焼の恐れがなくなる

2016年12月22日21時22分

 新潟県糸魚川市の大規模火災で、市消防本部は22日午後8時50分に火災を鎮圧し、延焼の恐れがなくなった、と発表した。

 火災は同日午前10時半ごろ、近所の人から119番通報があった。同市や市消防本部などによると午後3時半現在、燃えた住宅や商店などは約140棟に上り、午後5時現在、約7万5千平方メートルが延焼した。同市は計744人に避難勧告を出した。
http://www.asahi.com/articles/ASJDQ72NSJDQUTIL05M.html

これが今のところの最新報道。ところで、「火災を鎮圧」するというか。「鎮圧」とは暴動とかデモに対して権力者やその手先が使う汚い言葉だと認識していたのだけれど。

ところで、糸魚川*1には、碌でもないネタしか採り上げていなくて*2、ほんと、申し訳ないと思う。