職を賭けるな?

朝日新聞』の記事;


市長・副市長が賭けマージャン 一般職員の勤務時間中も

2016年12月22日13時11分

 福岡県飯塚市の田中秀哲(ひであき)副市長が一般職員の勤務時間中に、庁舎外で賭けマージャンを繰り返していたことが分かった。斉藤守史(もりちか)市長が同席し、ともに賭けたこともあった。2人は事実を認め、22日の市議会で陳謝した。メンバーには元市幹部の元市議や、来年度から市施設の指定管理者となる事業者の代表が含まれていた。

 2人によると、マージャンをしていた場所は元市議が管理する元マージャン店で、市役所から車で5分ほど離れている。普段は閉まっているが、2人が訪れた時だけ開けていた。市長や副市長ら特別職は勤務時間は決まっていないが、田中副市長は一般職員が勤務中の平日の昼間に庁舎を離れ、マージャンをしていた。斉藤市長が今年、同席したこともあったという。

 本会議で斉藤市長は「自分の軽率な行動で、市議会や市民の皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことに、心よりおわびを申し上げます」と陳謝。田中副市長は「1年間トータルしてみれば勝ったり負けたりでトントン。ゲーム感覚でストレス解消がメインと思ってやっていた」と述べた。事業者が同席していたことについては2人とも「旧知の知人で、便宜供与を図ったことはない」と説明した。

 議会後に記者会見した田中副市長は「ゲーム感覚で、何もないと面白くないと思った」と釈明。斉藤市長は「賭けなかったらマージャンをする人がどれだけいるのか」と述べ、平日の昼間以外にも週末などに賭けマージャンをすることがあったと認めた。
http://www.asahi.com/articles/ASJDQ3W7JJDQTIPE00T.html

最後のコメント、そりゃそうだよなと思ったのだが、実はこれによって全国的に延焼してしまったようだ。
26日付の記事;

賭けマージャン発言、福岡・飯塚市長が撤回 辞職言及も

垣花昌弘

2016年12月26日13時34分


 賭けマージャンを繰り返していたことが問題となった福岡県飯塚市の斉藤守史(もりちか)市長と田中秀哲(ひであき)副市長は26日の定例記者会見で、賭けマージャンを容認するかのような22日の発言を撤回し、謝罪した。斉藤市長は「賭け事は1円たりともしてはいけない」と述べ、市政治倫理審査会が辞職を勧告した場合は従う考えを示した。

 2人は22日、土日や平日夜のほか、市役所の開庁時間にも賭けマージャンをしたことを認め、斉藤市長は「賭けなかったらマージャンをする人がどれぐらいになるだろうか」、田中副市長は「半分ゲーム感覚。何もないと面白くない面もある」と発言していた。

 市には25日までに少なくとも340件の抗議の電話やメールが寄せられたといい、斉藤市長は「誤解を招くような不用意な発言で世間をお騒がせし、全国各地からたくさんのお叱りをいただき、改めて事の重大さを痛感した」と述べた。

 政倫審は、条例に定める政治倫理基準に違反する疑いがある時に市民が審査請求し、市長が設置する。学識経験者4人以内、議員2人以内の計6人以内で構成し、3分の2以上が出席し、4分の3以上の多数が賛成すれば辞職を勧告でき、22日に鯉川信二市議会議長が審査請求した。

 斉藤市長は政倫審を年明けにも設ける考えを示し、「審査の結果を真摯(しんし)に受け止め、従う」と述べた。その間、2人の給与は法務局に供託するとしている。(垣花昌弘)
http://www.asahi.com/articles/ASJDV3T1XJDVTIPE00F.html

また、

飯塚市長、食品会社会長を辞任 賭けマージャン問題で

藤山圭

2016年12月23日18時52分

 福岡県飯塚市の斉藤守史(もりちか)市長と田中秀哲(ひであき)副市長が賭けマージャンをしていた問題で、斉藤市長が代表取締役会長を務める食品製造販売会社「一番食品」(飯塚市)は23日、斉藤市長が23日付で同社の役職をすべて辞任したと発表した。コンプライアンス上、問題があると判断したという。

 一番食品によると、賭けマージャンについて役員から「不適切」との意見が出た。23日午後の臨時取締役会で、斉藤市長から「迷惑をかけられない」と辞任の申し出があり受理した。

 一番食品は調味料やレトルト食品の製造や販売を手がける。担当者は「食品会社として地元に根付き、文化活動もしている。金銭を賭けたマージャンはふさわしくない」と話した。(藤山圭)
http://www.asahi.com/articles/ASJDR61J1JDRTGPB00B.html

賭け麻雀をすることが悪いとは全然思わない。悪いとか言うのは、「25日までに少なくとも340件の抗議の電話やメール」を寄越した奴らを含めて、偽善的なコンプライアンス馬鹿だろう。何故そもそもこういうことがばれてしまったのか。その背景として、ローカルなせこい利権を巡ってのせこい陰謀とかを疑うべきだろう。ただ、賭けがいけないとか、そういう幼稚なレヴェルではなく、誤解を招きかねないことがあるのは事実だろう。「来年度から市施設の指定管理者となる事業者の代表」が一緒に卓子を囲んでいたこと。一応「便宜供与を図ったことはない」とは言っているけれど。この「事業者の代表」が不自然な仕方で負け込んでいないかどうかは精査されて然るべきだろう。わざと負けて金を払ったなら、贈収賄になるよ。金が絡んでない場合でも、精神的な賄賂ということになるのでは? ここで思い出したのは、企業社会には〈接待野球〉というのがあるということを誰かが最近言っていたことだ。表向きは、取引先と草野球をやって親睦を図りましょうということなのだけど、わざと相手に負けて勝利をプレゼントするんだって。こういうのが官−民の間で行われた場合、贈収賄擬きにはなるんじゃないかと思ったのだった。

さて、福岡県飯塚市に提案したいのは、市町が辞職するかどうかを賭けの対象にして、全国から賭け金を募ること。そうすれば、財政難も一遍に吹っ飛ぶ。