今どきの校則


海津敦子*1「半数の中学が下着の色まで校則で指定!...アクティブラーニングと真逆?」http://www.huffingtonpost.jp/atsuko-kaizu/strict-school-rule_b_12553504.html


海津さんは文京区議会議員。
曰く、



「衛生を考え、必ず下着(白)を着用する。色つきや柄物の下着は着用しない」

ある文京区立中学校の生徒手帳に書かれた「服装」の決まりで、このように「白の下着」の着用が校則として規定されています。

他の学校はどうかと言うと...

男子のワイシャツや女子の夏用の白いセーラーの下につける下着に無地の白や肌色の着用を義務付けている1校を入れると、文京区立中学校全10校のうち6校が校則で下着の色を「白もしくは肌色」と規定しています。

夏に制服の下に透けて見えないようにということであれば、一定の理解はできるものの、それでもわざわざ校則で義務付けるべきものなのか?疑問です。

しかもです、まったく透けることのない、チェックでもしない限りわからない場面でも、校則で「白無地の下着着用」を義務付ける意味がさっぱりわかりません。

冒頭の下着などは、ワイシャツ等の下に限定しておらずパンツなども含む規定に読み取れます。

どういう教育的効果を狙っているのでしょうか? 教育的意図がまったく見えません。

今回、文京区内の区立中学10校の校則を調査し読んでみて、一律的で目的不明な前時代的とも言えるような指導が多く、子ども自らが主体的に考えて行動していく"アクティブラーニング"とは対極とも思える校則が多いことに「これでいいのか?」と考えさせられる時間になりました。


生徒心得」という生徒手帳に書かれたもので、特に気にかかったものを書き出してみます。

これらをご覧になって皆さんはどうお感じになるでしょうか?


授業中は姿勢を正しくし、真剣かつ積極的に参加する。私語は慎む。
先生、友だち、お客さんと出会った時には元気よくさわやかに挨拶をする。中学生らしい礼儀作法を身につけよう。
セーター・ベストはVネックで素材はウール
身だしなみ 眉に手を加えない
中学生らしい清潔な髪形とする。流行を追った髪形は認めない
授業時にはセーター・ベストの上に必ずブレザーを着用すること
特殊な型(ボタンダウン、開襟など)のシャツは着用しない
頭髪は中学生らしいものとする
トラブル防止のために塾等で学校の噂を他校の生徒に話さないこと。
防寒のためタイツは黒、無地、80デニール以上とする。
弁当: 土曜など弁当が必要な場合は、登校途中に買って行くことは禁止。
夜間はみだりに外出しない。またひとり歩きは絶対にしないようにする。
友人宅には泊まらない。
休み時間中、多学年*2の階に特別な理由がない時は、行ってはいけない。
他にもいまだに、男子は前髪は目、横は耳、後ろは襟にかからない程度の長さ、女子は肩にかかる髪は結ぶ、と校則で決められ、ゴムも黒・茶・紺に限定され、指定されていない学校はありませんでした。
坂本秀夫『「校則」の研究』という本が出たのは1986年だけど、中学の校則においてはいまだ〈昭和〉は終わっていないわけだ。
ところで、学業に関する規定、例えばカンニングとかについての規定はどうなっているのか。生徒のファッションを規制する(学校側の認識では「矯正」する)ことにかまけて、academic honestyについては何もいわないとすれば、〈小保方晴子養成学校〉と謗られても仕方がないだろう*3
ところで、『朝日新聞』では中学の「制服」についてかなり熱心に追究しているようだ;


菅野雄介、三島あずさ 錦光山雅子「制服の価格、安くするには 東京都、業者の独占にメス」http://www.asahi.com/articles/ASJBP1CTPJBNUPQJ00W.html
海津敦子「制服等区立中学の高額な学校指定品・・・義務教育の公立中学への進学で、なぜさらなる苦しさを抱えなくてはならないのか?」http://a-kaizu.net/blog/archives/400