「手相占い」が突っ込まれて

朝日新聞』の記事;


婚活企画、手相占いはダメ? 鳥取県、意見4件受け変更

柳川迅

2016年7月23日12時30分

 鳥取市で18日に開かれた婚活イベント「とっとり婚活応援フェスタ」の占いに基づく助言企画について、主催者の県が「配慮が足りなかった」として、内容を変更していたことがわかった。19日の県議会福祉生活病院常任委員会で、県が経緯を説明し、陳謝した。

 県子育て応援課によると、フェスタの企画の一つに、手相などの占師が婚活について助言する企画を盛り込んだが、告知チラシを見た男女から「手相占いなどを行政主催で行うのはいかがなものか」などといった4件の意見が13〜15日に県に寄せられた。このため、占いの前にセミナー形式で助言する企画を追加する対応を取ったという。

 また、チラシの中にあった「男子ウケするファッション」という記述についても「『男子ウケ』する女性になれば結婚できるという価値観に基づき、女性を馬鹿にしている」という批判も寄せられたという。県は「表現の配慮が足りなかった」と説明している。

 県の「とっとり出会いサポートセンター」(通称えんトリー)のパンフレットに「女性は元々受け身の性」という記述があった問題に触れ、「反省が生かされていない」という指摘もあったという。(柳川迅)
http://www.asahi.com/articles/ASJ7N4J8YJ7NPUUB00W.html

例えば「新宿の母」とかいたじゃないですか。鳥取に例えば〈砂丘の母〉がいるかどうかはわからないけれど、「手相占い」の理論が妥当か否かというよりも、「占師」って仕事を通して恋愛とか「婚活」とかについての経験的な知識が豊富そうだから来てもらおうということだったのではないかと推測する。
「男子ウケするファッション」という表現にクレームがついたということだけど、男子向けに〈女子ウケするファッション〉という表現はなかったのだろうか。そうであれば、たしかにその非対称性は問題だ。ところで、これが(例えば)〈男を落とすためのファッション〉とか〈童貞殺戮服〉とかいった表現だったら、どんな反応が返ってきたのだろうか。
「女性は元々受け身の性」の出典は何処なのだろうか。「元々」というのは本質性を表す副詞なので論外だが、「受け身の性」ということの経験的な信憑性が幾らかあるとしたら、それは「受け身の性」であるように振る舞えという文化的命令或いはその命令の内面化の問題だろう。「ある研究によると、性的なビデオを見せたときの生理的反応(脳の興奮、膣の反応など)は明らかに性的興奮のレベルに達していたのに、多くの女子学生たちはそのことを自覚することができなかったという」という伊藤裕子「「女」になる、「男」になる――ジェンダー発達心理学」(in 天野正子、木村涼子編『ジェンダーで学ぶ教育』)の記述を再度引用しておく*1
ジェンダーで学ぶ教育

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