山田登世子

既に旧聞になってしまったかも知れないけど。

Via http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20160812/1470980170

朝日新聞』の記事;


山田登世子さん死去 仏文学者でファッション評論家

2016年8月9日17時43分


 フランス文学者でファッション評論家でもあった愛知淑徳大名誉教授の山田登世子(やまだ・とよこ)さんが8日、肺がんで死去した。70歳だった。通夜は10日午後7時、葬儀は11日午後1時から名古屋市中区丸の内3の4の5の日本基督教団名古屋教会で。喪主は夫鋭夫(としお)さん。

 福岡県田川市生まれ。専門はバルザック研究。ファッションやブランドのほか与謝野晶子を主とした明治・大正期の文学と芸術など幅広い領域で論考を展開した。「モードの帝国」「シャネル 最強ブランドの秘密」「『フランスかぶれ』の誕生 『明星』の時代1900―1927」など著書多数。
http://www.asahi.com/articles/ASJ894VSNJ89OIPE00R.html

山田さん*1のテクストを最初に読んだのは1988年か1989年のことだったと思う。バルザックをネタにして、アンシャン・レジームと近代との対比、近代におけるジェンダーの二元化などが論じられていた。こんな面白いことを考えているバルザック研究者もいるんだ! と思った。その後、講談社現代新書から出た『ファッションの技法』で再開。真面目な読者ではなかったが、(私にとっては)書いていることの95%以上は肯くことができるという稀な論者であった。また、『ブランドの条件』をマークしておく。
モードの帝国 (ちくま学芸文庫)

モードの帝国 (ちくま学芸文庫)

ブランドの条件 (岩波新書)

ブランドの条件 (岩波新書)

ところで、山田さんのご夫君がレギュラシオン理論の経済学者、山田鋭夫*2であることも今まで知らなかった。山田登世子のテクストに注目したのと、レギュラシオン理論に注目し始めたのは略同じ頃だったのだ。