- 作者: 熊野純彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 新書
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ゲーテには、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050829 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060504/1146712072 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060922/1158953499 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070710/1184061034 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080116/1200439917 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080729/1217347380 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091125/1259121898 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100105/1262716242 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101205/1291572291 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120205/1328457876 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20120414/1334345971 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140825/1408943394 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151228/1451281770 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160201/1454306068 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160203/1454485883で言及している。
フィヒテは主観の先端を、シェリングは自然の幅をとり上げた。ヘーゲルは、自体的な存在と他なるものとの関係を考えることによって、主観と客観との中間にその身を置くことになる。「客観と主観が触れあうところ、そこに生命がある」。ゲーテがヘーゲルを評して語ったことばである。ヘーゲルが身を置こうとする場ゆえに、「私は、かれを賞賛したいと思う」。
あるときゲーテは、ヘーゲルを昼食に招いた。ヘーゲルが帰ったあと、ゲーテは夫人に客の印象をたずねる。ゲーテ夫人は答えたそうである。「変わっています。あのかたは、才気煥発というべきなのか、あるいは精神錯乱なのか、私にはわかりません」。ゲーテは、ヘーゲルの自然哲学を、世にも奇怪な思弁と評価した者のひとりではあるけれど、ヘーゲルの思考の根底に生への直観があることは見ぬいていたように思われる。(pp.170-171)
*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160625/1466881348