第二の死?

『おたくま経済新聞』の記事;


霊の寿命が400年から500年らしいと話題

update:2016/3/6

日本人の平均寿命は80歳ほどですが、幽霊にも寿命があってそれがだいたい400年から500年らしいとネットで話題になっています。
これ、オカルト界では割と知られた話らしく、1614年から1615年に行われた大坂の陣から400年が経過したため最近では大阪城周辺の不思議現象が年々減ってきているそうです。

ちなみに怨念が強いほど寿命は長いとされ、今のところ最強クラスは崇徳天皇で800年レベルと言われているそうです。
今から400年前は江戸時代初期。1615年前後にあった幽霊が発生しそうな出来事はこちら。


1582年:本能寺の変織田信長が自害
1591年:千利休切腹を命じられる
1600年:関が原の戦い
1615年:豊臣秀吉の側室・淀殿が自害
1637年〜1638年:島原の乱


これを調べていて気づいたことがありました。たしかにこれ以前の霊について目撃情報があったという話はあまりないように感じます。あってもギリ平安ぐらい。それ以前だと「縄文人が枕元に立ってた!」「透明なナウマンゾウが家の中を駆け抜けた」「やっべ卑弥呼が夢に出ちゃったよ」……なんて話を聞いたことはありません。たまたま筆者が聞いたことがないというだけかもしれませんが。

生きている人間よりも今まで死んでいった人間の数が圧倒的に多く、霊界の人口密度を考えると400年くらいが寿命としてはちょうどいいということなのかもしれませんね。

(文:大路実歩子)
http://otakei.otakuma.net/archives/2016030602.html

そうなんだ! 先ず疑問としては、「寿命」の尽きた「霊」は何処へ行くのだろうか。あの世のさらにあの世? かつて柳田國男が『先祖の話』*1で説いたように、個性を喪失して、「先祖」という集合名詞に吸収されてしまうということ? 仏教的にいえば、生きとし生けるものは死後、成仏するか輪廻を繰り返すかということなので、幽霊というのは進学先が決まらず何百年も浪人しているという感じのイレギュラーな状態ということになり、「霊界」で「寿命」の尽きた「霊」は遅まきながら成仏or輪廻というレギュラーなコースに復帰するということなのか。
柳田国男全集〈13〉 (ちくま文庫)

柳田国男全集〈13〉 (ちくま文庫)

「これ以前の霊について」の「目撃情報」は「 あってもギリ平安ぐらい」ということだけど、これは、時代劇の舞台というと大体江戸時代で、平安時代というのは少なく、奈良時代飛鳥時代は皆無に等しいということと関係があるかもしれない。これはその生活について具体的に想像できるのはせいぜい室町時代、「ギリ平安ぐらい」だということだろう。古墳時代さらには縄文時代なんて無理! 
さて、「今から400年前」ということで。袁偉時*2「人的自由度是国家盛衰的関鍵」という文章*3を読んでいて、世界史的な事件としては、(少し遅れて)英国の名誉革命(1640年)、清朝の成立(1644年)があることを思い出した。