堀秀彦という人がいた

堀秀彦*1は(私は殆ど読んだことはなかったけれど)青春出版社とか大和書房とかいった出版社から人生論とか恋愛論とかを沢山出していた人。1970年代の本屋の棚を見れば、「堀秀彦」という名前の印刷された背表紙をいくらでも見ることができた筈だ。この人が私の母校の教授で、しかも学長まで務めたことがあるということを知ったのは大学(学部)を卒業するかしないかという頃。ネットで検索しても、出てくるのは殆ど古本屋の在庫や図書館の蔵書の情報ばかりなのだが、


ラッセルの死を知って」『ラッセル協会会報』n.15(1970年5月)p.4. http://russell-j.com/HORI3-01.HTM


というのを見つけた。彼はバートランド・ラッセル*2の訳者でもあったのだ。そういえば、ラッセルも〈人生論〉の人だと思っていた。といっても、ラッセルの文章というのは、高田馬場の某予備校の夏期講習で、「怠惰を讃えて」というエッセイ*3の一部が英語の問題文として使われていたので、読んだだけだったのだが。それで、ラッセルが『数理哲学序説』の著者だと知ったとき、〈人生論〉のラッセルと〈数理哲学〉のラッセルとを、一つの人格の裡に統一的にイメージするのは難しかったのだ。

数理哲学序説 (岩波文庫 青 649-1)

数理哲学序説 (岩波文庫 青 649-1)