上手な剽窃の勧め?

1月に、高千穂大学における「完コピ」卒論問題を採り上げたのだが*1、今度は東京大学の話。堀江貴文によれば、「東大と慶應のブランド価値は天と地の差」である*2。高千穂との差は如何ほどか。
J-CAST ニュース』の記事;


東京大教養学部「課題論文」75%がコピペの学生!全科目の単位取り消し処分
2015/3/12 12:13


東京大学教養学部は10日(2015年3月)、後期課程で3、4年生が提出した課題論文を調査したところ、インターネット上の文章を引き写した部分が75%にもなる論文があったと発表した。大学側は「(コピペは)他人の文章の無断借用であり、学問倫理上許されないことは明らか」だとし、「不正行為が認められた者(協力者も含む)は、その学期に履修した全科目の単位を無効とする」という申し合わせがあり、これに基づき「厳正な措置を取った」としている。


4年生なら卒業できず

東大の発表文を見るかぎり、この学生は後期の単位を失うことになり、4年生なら卒業できない可能性がある。前代未聞の事態だが、教養学部の声明は「大変遺憾なことです。2度と起こらないよう、学生は学問的倫理を十分に自覚して勉学に励んでください」とだけで、具体的にどんな科目、課題かなどの詳細は明らかにしていない。


厳しいが当然

ネット、パソコンのコピペの蔓延で、目端の効く学生はあちこちから論文をかき集め、アレンジして自分の論文に仕立ててナニ食わぬ顔なんてのは珍しくない。そうした学生が卒業して社会人になれば、同じ流儀で世渡りを始めるのだろう。

STAP細胞でも東大研究室の不正でも、画像の張り替えは当たり前に行われていて、なかには他人の論文をそっくり引き写しというのもあった。こうした風潮が官界に及べば各種報告書から国会答弁にまでに及ぶだろうし、報道の世界ですらしばしば見られることだ。


盗みの自覚ない大馬鹿

キャスターの齋藤孝「う〜ん、東大は厳しい措置をとりましたね。見せしめ的なこともあるんでしょうが、学問的倫理観は非常に重要で、これは徹底したほうが いい。引用ならいいんですが、無断でやるのはある種の盗みみたいなものですから」

たとえどこかから借りてきた文章でも、入れ替えや用語の直しで別ものにすることは可能だ。それでも不正がわかったということは、この学生はそんな手間さえかけなかったということだろう。その無神経を解明するためにも、具体的に何がどうだったのかが知りたいところだ。コピペされた論文を書いた人は被害者で、東大はその配慮も必要だろう。
ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
http://www.j-cast.com/tv/2015/03/12230126.html?p=all

これを契機として、東大内部で〈本郷〉による〈駒場〉差別が再燃したりするのだろうか。ということはともかくとして、まあ、これは妥当且つ当然な処置といえるだろう。
この文章を書いた「ヤンヤン」という人が日本人なのか中国人なのかは知らない。でも、結論部(最後のパラグラフ)はちょっとおかしいと思う。たしかに、「具体的に何がどうだったのかが知りたい」というのは多くの人が思うところだろうけど、「たとえどこかから借りてきた文章でも、入れ替えや用語の直しで別ものにすることは可能だ」というのは、つまりこいつの剽窃の仕方は下手で、やるならもっと巧くやれよということだろうか。たしかに、「入れ替えや用語の直し」をすれば、ネット検索で引っかかるということは難しくなる。でも、そういう問題か。
さて、摂南大学教員盗撮事件*3に関する大学側の「お詫び」;

本学教員の不祥事について(お詫び)

DATE:2015.03.13企画課


 マスコミ等ですでに報道されていますように、このたび本学教員が迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されました。
 あってはならない行為であり、被害を受けられた方の心情に対し、心よりお見舞い、お詫びを申し上げます。
 本学学生、保護者、卒業生、地域の皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしましたことに対しましても、心からお詫び申し上げます。
 本学としましては、事の重大さ、また社会に与える影響の大きさを深く認識し、事実関係を把握して厳正に対処していきます。
 さらに、こうした行為の再発防止に全学一丸となって取り組んでいく所存です。

2015年3月13日
摂南大学 
学長 今井 光規      
http://www.setsunan.ac.jp/important/detail.html?id=1217

UK事件のときも、このような大学当局による「お詫び」は出ただろうか。ところで、そもそも「全学一丸となって取り組んで」いくことによって、盗撮や痴漢の「再発防止」が可能なのだろうか。