燐寸消える?

田中正徳「「嫌い」「危ない」で消える学校の風景、過保護の代償」http://jijico.mbp-japan.com/2015/02/07/articles15764.html


先ずこれはひでぇテクストだということはいっておかなければならない。二重のパクリからなっている。「アルコールランプ」云々というところの出だしの部分;


そのほか、「危ない」という理由で消えている学校用具に驚く人も多いことでしょう。例えば、理科の実験でおなじみのアルコールランプです。

危険の理由は、「児童・生徒が実験机から落とす可能性がある」「アルコールが気化し、爆発する可能性がある」「アルコールランプが傾いて液が芯の近くまでいって燃えあがる可能性もある」というものです。

は、明らかに「理科の実験で「アルコールランプ」が使われなくなった理由」という『SPA!』の記事*1剽窃といえるだろう。また、枕で「ジャポニカ学習帳」から「虫」の写真が消えたという話をしているのだけれど、これも上掲の『SPA!』の記事の構成と同じ。さらに、この「ジャポニカ学習帳」の話も昨年11月に配信された「ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた 教師ら「気持ち悪い」 40年続けたメーカーは苦渋の決断」という『withnews』の記事*2剽窃の可能性が高い。剽窃というのは言い過ぎかも知れないけど、2つのテクストを参照文献として明示したり、リンクを張ったりする必要があるといえよう。
さて、「アルコールランプ」に関する田中さんオリジナルの(と思われる)記述に曰く、

さらに、今どきの子は「家庭でマッチを擦る経験をしていない」ため、アルコールランプに火を付けるという実験以前の段階で時間がかかってしまうという理由もあるようです。学習時間が限られる中、実験をスムーズに進めるためには、より安全で、管理や指導しやすい器具に変えていくということは合理的といえるでしょう。現在では、アルコールランプにかわり、ガスバーナーやガスコンロが一般的となっています。
まあ「ガスバーナーやガスコンロ」が「アルコールランプ」よりも安心なのかどうかはわからないのだが、「マッチ」というのも世の中から消えつつある存在なのだった。1970年代以降、殆どの瓦斯器具や石油ストーヴが自動点火になったため、煙草を吸う人がいない家では燐寸というものを持つ必要がなくなった。さらに、喫煙人口の激減ということがある。昔は、どの喫茶店でも燐寸をくれたのだが、今燐寸をくれる喫茶店なんて、どれ程残っているのだろうか。ここまで燐寸の影が薄くなってしまうと、


火の用心、燐寸一本火事の元!


というスローガンはどうなってしまうのだろうか。また、『マッチ売りの少女』という童話*3にしても、これからの子どもたちは、先ず題名について歴史的説明をする必要が出てきて、タイトルから即座にエロい妄想をするということもなくなるのだろうか。
そういえば、なくなりつつあるものとして、水銀体温計がある。これは或る意味で、毒性とか環境汚染の懸念からすれば当然ではあるのだけれど。数か月前に中国(上海)の新聞に、水銀体温計は何処に行っても売っていないし、電子体温計はどうも使い勝手が悪いし、という記事が出ていたのだった。