別の意味での哀しさ

朝日新聞』の記事;


大阪産業大の元准教授、論文盗用指摘され依願退職

2016年1月24日05時17分

 大阪産業大大阪府大東市)の工学部の元准教授が、在職中に発表した論文について他の論文からの盗用を指摘され、依願退職していたことがわかった。

 大学によると、論文は元准教授らが2004年に環境工学分野の学会誌に発表。他の研究者による論文の本文や図表を32カ所にわたって流用していた。

 昨年3月の元准教授の昇任審査の際、大学が論文を精査して発覚。元准教授は「執筆は非常勤講師に任せ、自分は取りまとめただけだ」と説明したが、大学は「論文の第一著者として責任がある」と判断。降格処分にする方針だったが、元准教授は処分前に依願退職した。非常勤講師も調査の過程で経歴詐称が発覚し、依願退職している。

 大産大は「真摯(しんし)に受け止め、不正行為を起こさない取り組みを実施する」としている。
http://www.asahi.com/articles/ASJ1R66RTJ1RPTIL00Z.html

学部学生のレポートとか卒論における盗用(剽窃)は別として*1、最近の論文盗用(剽窃)ということでは、何と言っても、小保方晴子の元「博士論文」事件ということになるだろう。さらに、文系に限った話だが、新聞沙汰になった事件としては、井戸一(名古屋外国語大学)事件*2、晏英(早稲田大学)事件*3、或いは菅山謙正(龍谷大学)事件*4がある。また、「過去の論文盗用が発覚し、早稲田大学を懲戒解雇された蛭田啓」氏が処分撤回を求めて訴訟を起こしたともいう*5
これらに連なる話なのだが、ちょっと変な感想を持った。問題となったのは10年以上前の論文。それも学部紀要とかじゃなくて「学会誌」に発表されたもの。それが、今になってばれたというこtとは、10年以上に亙ってこの論文を、〈被害者〉も含めて誰も読んでくれなかったということだ。これはこれで凄く寂しく哀しい話だと思う。