「猫」が呼び出されて

承前*1

名古屋大学女子学生による老女殺しについて。
『朝日』の記事;


週刊新潮、19歳容疑者の実名・写真掲載へ 名古屋殺人

2015年2月4日21時31分


 5日発売の「週刊新潮」(新潮社)が、名古屋市昭和区のアパートで無職の女性(77)が殺害された事件の記事を掲載し、愛知県警に殺人容疑で逮捕された大学1年の女子学生(19)の実名と顔写真を載せることがわかった。少年法は、20歳未満の未成年者が起こした犯罪に関しては本人が特定できる報道を禁じている。

 記事が掲載されるのは2月12日号。週刊新潮編集部は朝日新聞の取材に対し、「事件の残虐性と重大性に鑑み、19歳という加害者の年齢も加味して総合的に判断した上で、顔写真と実名を報道することにした」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASH246S9WH24UCVL01Z.html

まあ、読者の劣情に迎合したいと正直に言えばいいのにね、と思う。「事件の残虐性と重大性」ということだが、「顔写真と実名」を知ったところで、この事件の認識の深化に資するところがあるとは思わない。さらに、私もそうだけど、少なくともインターネットを使っている人は、「顔写真」も「実名」も既に知っていて、にも拘わらず、黙っているのだと思う。そんなものは、ネット検索すればすぐにわかる。その意味でも、ネタとしての価値は既にあまりない。
『毎日』の記事;

女性殺害:名大生、事件直後「休学する」

毎日新聞 2015年01月30日 15時00分


 名古屋市昭和区のアパートで、森外茂子(ともこ)さん(77)を殺害したとして、名古屋大学の女子学生(19)が愛知県警に殺人容疑で逮捕された事件で、女子学生が事件直後、「生活が苦しいので休学して実家に戻る」と周囲に話していたことが、捜査関係者への取材で分かった。ただ、金に困っていた形跡はなく、県警は、学校を離れるための虚偽の説明だったとみている。

 捜査関係者や知人によると、女子学生は昨年12月7日の事件当日、友人に「大家と家賃の交渉をするので、部活を休みます」と連絡。その後「休学することに決めた」と伝え、同月中旬からは音信不通になっていた。女子学生は実際には事件翌日から東北地方の実家に帰省。今月26日に名古屋に戻り、27日に逮捕された。

 県警が女子学生の金融機関口座を調べたところ、まとまった額の預金があった。生活に困窮していた様子はないという。

 県警によると、森さんの遺体は27日に見つかるまで、女子学生の部屋に放置されていた。居室には血を拭いたような跡はあるが、凶器の手おのがキャリーバッグから見つかるなど、積極的に証拠隠滅を図った形跡はない。一方で、事件直後に森さんを捜しに来た知人に「森さんを家に招いたが、すぐに帰った」とうそをついたり、虚偽の説明で学校を離れたりするなど、行動に一貫性がないとの指摘もある。

 県警は女子学生の行動の裏付けを進めながら、当時の心理状態の解明を進める。【三上剛輝】
http://mainichi.jp/select/news/20150130k0000e040260000c.html


女性殺害:名大生実家周辺 近隣で「ネコ5匹不思議な死」

毎日新聞 2015年02月01日 07時00分(最終更新 02月01日 08時30分)


 名古屋市千種区の森外茂子(ともこ)さん(77)を殺害したとして、殺人容疑で逮捕された名古屋大学の女子学生(19)の宮城県の実家周辺で2008〜11年、少なくとも5匹の猫の変死体が見つかっていたことが31日、近所の住人などへの取材で分かった。

 近所に住む60代の女性によると、11年ごろ、飼い猫が背中に白い薬品のようなものを付けて外から帰って来た。タオルで拭おうとしたが、取れなかったという。猫が背中をなめて薬品が口に入ると、嘔吐(おうと)を繰り返すようになった。動物病院に連れて行ったが、原因が分からないまま約10日後に死んだ。

 また近所の獣医師によると、同年5月には近くの公園で血だらけの猫が保護され、動物病院に運ばれた。猫は裂傷を負い、右前足を複雑骨折しており、その日のうちに死んだ。

 獣医師は毎日新聞の取材に対し、交通事故ではあまり見られない外傷だったと指摘。「刃物のような物で、人為的に傷つけられた可能性もある」と話した。

 また近所の男性(42)は08年ごろ、女子学生の自宅から約100メートル離れた道路沿いで、2匹の猫が口から血を流して死んでいるのを見つけた。いずれも外傷はなかったという。その1年後にも、猫1匹が近所で同じように口から血を流して死んでいるのを見つけた。「事故で死んだのではないだろうと思った。気味が悪かったので今でも覚えている。近所の人たちも怖がっていた」と話していた。

 中学時代の同級生によると、女子学生は中学生のとき、「自分で作った薬品をハムスターにかけた」と話したり、猫にハサミを突きつけ「中身を見てみたい」と話したりしていたことが分かっている。【井口慎太郎、山本佳孝、大野友嘉子、三浦研吾】
http://mainichi.jp/select/news/20150201k0000m040075000c.html

名古屋大学生がやったというふうに早合点した人もいるようだが。今回の殺人事件の報道に引き寄せられるかのように、意識の片隅に追いやられていた昔の変なこと、奇妙なことが呼び出されたということだろう。