承前*1
- 作者: 俵木浩太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/11
- メディア: 新書
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俵木浩太郎『文明と野蛮の衝突−−新・文明論之概略』から、吉田茂の諮問機関「文教審議会」での和辻哲郎の発言を孫引き;
東郷、乃木 などを代表とする将軍たちは、少時、論語孟子のようなシナの古典によって教育され、すでに性格が出来上がった後に西洋の軍学を学んだのであった。それに反して、東条や荒木を代表とする世代の将軍たちは、初めから教育勅語や軍人勅諭によって育てられたのであって、論語孟子の素読はもうやらなかったのであろう。して見ると論語や孟子で育った将軍連はそれぞれの風格をもってマッカーサーによい印象を与え、教育勅語や軍人勅諭で育った将軍連は、まるで人種が違って来たかのような悪印象を与えたのであった。(p.93に引用)*2