朝鮮春画(メモ)

Zakzakから;


「朝鮮のセックス絵画に日本の春画の影響あり」と専門家指摘

2011.08.24


 セックス・アートは、古代文明から西洋絵画、そしてペルーにインド、中国まで、世界各国で脈々と描かれてきた。だが、厳格な儒教思想が浸透した朝鮮では、性表現が厳しく取り締まられていた。それだけにセックス絵画は存在しないとされてきたが、近年になってその説は間違いだと判明した。

 18世紀の朝鮮王朝後期の絵師、金弘道(キム・ホンド)によって描かれた作品はその代表例。彼は国王・正祖の肖像画などを手がける一方、当時朝鮮では稀だった民衆の日常生活を描く風俗画でも知られた。セックス絵画もその一環だった。

 美術史家の田中雅志氏によると、それは「背景をなす自然の景観や屋内の様子には中国の春宮画、柔らかな筆致で描かれた裸体やしっかり描き込まれた性器には日本の春画の影響がありありと見てとれます」とのことだ。

週刊ポスト2011年9月2日号
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20110824/frn1108241416002-n1.htm

ちょっと唐突な記事。
実は20年くらい前に『フライデー』で朝鮮の春画を採り上げていたことがあった。韓国の民主化によってこういうのも表面に出てくるようになったという感じで。だから、朝鮮にも春画が存在したことはかなり前から知っていたのだった。まあ中野美代子先生の『中国春画論序説』も日本、印度或いは古代希臘*1に言及することはあっても朝鮮には言及していなかったけれど。記事には画像が添付されていないけれど、室内なのか屋外なのか。中野先生によれば、中国の春画は空間的な開放性を、日本の場合はクロース・アップ、密室性を特徴とする。絵師たちのクローズ・アップへの執着によって、日本人は巨根という幻想が構成されてしまったということもあるのだが。また、中国の場合は(肉体的な存在感が稀薄ではありながら)全裸を基本とするのに対して、日本の春画は原則として着衣。朝鮮の春画に対して、中国の影響が強いのか日本の影響が強いのかを言うためには、「しっかり描き込まれた」云々よりも視線、ロング・ショットなのかクローズ・アップなのかを述べなければならないだろう。日本の影響があるとすれば、それはやはり朝鮮通信使*2が持ち帰ったということなのだろうか。
中国春画論序説 (講談社学術文庫)

中国春画論序説 (講談社学術文庫)

See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110818/1313639595