http://d.hatena.ne.jp/matsuiism/20100714/p1
曰く、「ひょっとしてドストエフスキーやカフカは『史記』を読んでいたんじゃないだろうか」。ということで、Jonathan Spence先生がThe Chan’s Great Continent*1でカフカのことを採り上げていたのを思い出す。Spenceはそこではカフカの「シナの長城」に言及しているのだけれど、特にその中の(生前そこだけ発表されている)”Eine kaiserliche Botschaft”(「皇帝のメッセージ」)という部分に注目している。これを「シナの長城」の一部としてではなくスタンド・アローンとして読むと、”a hymn to the impossibility of knowing”として読めるという(p.230)。それから、カフカが独逸の漢学者Richard Wilhelmの訳した儒家や道家のテクストを読んでいたこと、道家のテクストを役所の机の引き出しに入れていたことは言及しているけれど(p.227)、『史記』については触れていない。その頃、『史記』が独逸語に翻訳されていたかどうか。ドストエフスキーについてはどうなんでしょうか。ただ、露西亜っていうのは中国に最も近いヨーロッパだということはありますね。
The Chan's Great Continent: China in Western Minds (Allen Lane History S.)
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