http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100221/1266732813へのコメント;
これはセンテンスの長さの話*1とも関係しますけれど、改行が多いと、スピード感が醸し出されるのは事実でしょう。時代小説のちゃんばらの場面とか。因みに、一説によれば、改行の多さには原稿料が絡んでいるともいう。日本では原稿料を字数によって厳密に計算するのではなく、枚数で大まかに計算するので、改行が多ければ、同じ字数でも枚数が稼げることになる(笑)。
nessko 詩は、紙面で見たときの余白はすごく大事というか、余白の取り方で印象が大きく変わりますね。 改行については、小説なら改行が多いものの方が速く読めちゃったりするけどな。 2010/02/21
http://b.hatena.ne.jp/nessko/20100221#bookmark-19486258
改行というかパラグラフの長さというのは、もしかして、映画で言えば、細かいカットを分割・編集してシーンを構成するのか、それとも長めのカットによってシーンを構成するのかという対立と関係があるかもしません。映画における長回しの技法については、1950年代に花田清輝や安部公房も加わった論争があったそうですが(cf. 岡田晋『日本人のイメージ構造』)、詳しいことは知りません。その論争の背景でもあったのでしょうけど、1シーン・1カットを極とする長回しを重視したのは、仏蘭西のヌーヴェル・ヴァーグ、特にジャン=リュック・ゴダール。映画におけるモンタージュ(編集)を理論的にも実践的にも確立したのはエイゼンシュタインでしょうけど、ゴダールはそれに対抗して、エイゼンシュタインの同時代の蘇聯の映画作家ジガ・ヴェルトフ(例えば『カメラを持った男』*2)をリスペクトしていた。

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*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100219/1266520878
*2:現在DVDになっているのはサイレントではなく、マイケル・ナイマンの音楽が入ったもの。サイレントのオリジナルはDVDでは観られないんだ!?