工藤雅樹

『読売』の記事;


工藤雅樹氏が死去
世界遺産推薦書作成を主導 72歳


 「平泉の文化遺産世界遺産登録推薦書作成委員会の委員長で福島大名誉教授の工藤雅樹(くどう・まさき)氏が1月29日午後10時40分、胆のうがんで死去した。72歳だった。平泉研究の第一人者として、当初から推薦書作成の核となってきた。告別式は2日午前11時、仙台市青葉区木町通2の2の13の斎苑。自宅は同市泉区高森4丁目。喪主は妻、紘子(ひろこ)さん。

 工藤氏は盛岡市出身。盛岡一高、東北大文学部史学科を卒業し、同大大学院文学研究科を修了した。専門は東北考古学・古代史で特に蝦夷論を研究。宮城学院女子大、福島大教授や、東北歴史博物館長のほか、本県では県文化財保護審議会会長も務めた。

 2004年6月、県教委が設置した推薦書作成委員会の委員長に就任し、登録で重要な推薦書作成に尽力。08年7月のユネスコ世界遺産委員会で「登録延期」となった後は、11年の登録を目指して推薦書の改定作業を先導した。昨年11月26日に都内で開かれた作成委員会では、工藤氏は「世界遺産委員会などの指摘に可能な限り対応できた推薦書だ。質的にも学問的にも前回よりも向上した」と自信を見せていた。昨年12月に体調不良を訴え、仙台市内の病院に入院していたという。

 工藤氏の死去に、県教委の法貴敬教育長は「素晴らしい推薦書を作っていただいた。今後も世界遺産委員会に向けて指導をいただかなければならない折りだったので残念だ」とコメント。平泉町の高橋一男町長は「突然のことで驚いている。平泉の歴史を研究、出版などで世に広く知らしめてくれた」と話し、推薦書作成委員で平泉文化遺産センターの大矢邦宣館長は「昨年11月、『いい推薦書ができた』とほっとした表情を浮かべていたことを思い出す。世界遺産登録という結果が見られずに本人も残念な気持ちだろう」と悼んでいた。
(2010年2月1日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20100201-OYT8T00112.htm

この記事でいう「本県」とは岩手県のこと。
たしか、『蝦夷の古代史』という本を読んだことがある筈。
蝦夷の古代史 (平凡社新書 (071))

蝦夷の古代史 (平凡社新書 (071))