「都心の孤島」

新宿区の「戸山団地」が「限界集落*1になっているという。
『毎日』の記事から;


戸山団地は新宿区百人町3、4丁目に位置する16棟(2321戸)の集合住宅。07年の調査によると、大半が戸山団地の住民である4丁目では、人口の52%が65歳以上の高齢者、75歳以上は27%だった。09年の総務省の人口推計では、全国の65歳以上は22・3%、75歳以上は10・5%。高齢者の割合は2倍を超える。

 建設開始は1948年。鉄筋コンクリート造りで、水洗トイレも完備したファミリー向けの「あこがれの団地」だったという。

 90年から建て替えが順次始まり、原則として60歳以上の単身者しか入れない1DKが増えた。周辺団地からの転入者も受け入れ、高齢化が急速に進んだ。

 高齢化率が5割を超え、共同体の維持が難しくなった集落は「限界集落」と呼ばれる。戸山団地の人口は増えているが、早稲田大の成富正信教授(社会学)は「転入者が高齢者ばかりでバランスを欠いている。少子高齢化がさらに進めば、全国に同じようなコミュニティーが出現するかもしれない」と話す。
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/archive/news/2009/08/20090819ddm041010036000c.html

団地などで、子女が独立して家を出て、残された親の世代の加齢によって、人口構成が高齢化するというのは自然なことだろう。ただ、ここでは、住宅都市整備公団が意図的に高齢化を推し進めているように思える。「90年から建て替えが順次始まり、原則として60歳以上の単身者しか入れない1DKが増えた」。「原則として」というのは規範的に、ということ? 1990年代前半のバブル崩壊の直後、不動産業界を救済しようと、若年層を民間のアパートやマンションに誘導するために、このような制限を設けたということなのか。よくわからない。
「新宿区百人町3、4丁目」。たしか、新宿区役所も「百人町」だった筈。戸山団地から歌舞伎町方面に歩いたことはないのだが、もう一度新宿区の地図を見直さなくては。戸山というのは早稲田の裏という印象なのだが、たしか戸山団地のところの丘は箱根山と呼ばれていた筈で、最初にこの辺りに迷い込んだときに、何でこんなところに箱根山があるんだと不思議に思ったのだが、それ以来のその由来とかについて調べたということはない。