以前、米国で「共和党が白人+基督教保守派を支持基盤とするエスニック政党になりつつある」という話に言及したことがあるが*1、その傾向に対する反動なのか、金平茂紀「オバマ・ヘイターたちの蠢動」*2を読むと、オバマ大統領はレイシストから「レイシスト」と罵られ、「オバマ大統領に対する脅迫・暗殺情報は1日平均60件に上」る。それにしても、どの国でも右翼やレイシストの手口は似ている。現在焦点になっているのは、米国各地で開催されている「医療保険制度改革」を巡る「タウンホール・ミーティング」であるが、ポール・クルーグマンはミーティング荒らしの右翼を”The Town Hall Mob”と呼んでいる*3。ここでクルーグマンが使うmobというのは端的に暴徒という意味なのだろうけど、こうした鉄砲玉みたいな連中よりも、もう少し広い意味において、アレントが『全体主義の起源』で論じた「モブ」に遡って、mobを再考すべきだとは思う。
The Origins of Totalitarianism (Harvest Book, Hb244)
- 作者: Hannah Arendt
- 出版社/メーカー: Mariner Books
- 発売日: 1973/03/01
- メディア: ペーパーバック
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