反ユダヤ@羅馬

『毎日』の記事;


イタリア:労組「ユダヤ人からの不買運動」ガザ侵攻に抗議
2009年2月22日 21時41分

 【ローマ藤原章生】先月まで行われたイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区攻撃を巡り、イタリアで「ユダヤ人からの不買運動」を労組が呼びかけ、差別論争を招いている。不買運動に賛同する市民は少なかったが、ユダヤ人の中にはイスラム教徒の移民への反感が広がり、民族・宗教対立の芽を残している。

 ガザ攻撃を批判し不買運動を呼びかけたのは「農工商業労働者連合」(組合員約8000人)。82年の、パレスチナ解放機構(PLO)を掃討するためイスラエル軍レバノンに侵攻した当時、やはりローマの労組が反ユダヤ運動を開始。シナゴーグユダヤ教礼拝堂)への爆弾テロで2歳児が死亡した。

 しかし他の労組や市民は同調せず、市長やローマ県知事が不買運動を「民族差別」「犯罪行為」と非難。1月18日の停戦で騒ぎはいったん収まった。

 ローマ・ユダヤ人会のリカルド・パチフィチ会長(45)は「労組はユダヤ人の商店をボイコットすればガザ攻撃が収まると主張した。だが、我々の間でも攻撃に賛否両論がある。ユダヤすなわち悪という主張は戦前のファシズムと同じ。欧州ではイスラム教徒が急増している。過激派は一部だが、欧州のイスラム化に不安がある」と話す。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090223k0000m030064000c.html

たしかに、この労働組合の振る舞いは「民族差別」だといえるが、この記事の不十分なところは少なくとも2つあって、先ずは「農工商業労働者連合」がどのような系列の労働組合なのかが明らかにされていないこと。ヨーロッパの場合、労働組合といっても、日本のような社民系の組合だけでなく、共産党系、トロツキスト系、アナキスト系、基督教系、さらにはファシスト系まであるわけだ。また、1982年の「シナゴーグユダヤ教礼拝堂)への爆弾テロ」と「反ユダヤ運動」との関係。ボイコットと「爆弾テロ」とはレヴェルが異なるわけだが、この記事ではその関係を明示せず、その明示しないことによって、何となくこの2つが関係あるんじゃないかというふうに誘導しているようだ。


反ユダヤ主義については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070210/1171118502 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080112/1200165144 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080131/1201781124も。