訂正と補足

Jポップの心象風景 (文春新書)

Jポップの心象風景 (文春新書)

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080926/1222407806について、先ず訂正。米軍基地面積全国2位は神奈川県ではなくて、三沢基地のある青森県。神奈川は第3位です。烏賀陽氏もそう記しています(p.30)。
また、


とはいえ、桑田自身はこうした米軍や基地問題に関してはほとんど何も発言していない。幼少年期の生のアメリカ人との接触体験も何も語っていない。唯一かすかにそれをにおわせるのは、沖縄でのインタビュー中にわざわざ話題を変えて「今日は沖縄で地上戦か何かあった日なんだよね? 大変な日なのに、歌と花火で盛り上がっちゃったりして……いいんだろうか?」(『Free & Easy』00年九月号)という発言くらいである。神奈川に似た基地県である沖縄に対するこの遠慮がちな発言から、桑田のアメリカに対する複雑な感情を汲むべきなのかもしれない。(p.32)
というパラグラフを補足として引用しておく。
さらに、

音楽に関してはアメリカに代表される外来文化に傾倒していた桑田だが、一方では、自分の生まれ育った茅ヶ崎や湘南に冠せられたきらびやかなイメージには徹底して背を向けている。「サーフィンの聖地」といったアメリカ的なステレオタイプはもちろん、それを借りた「太陽族」とも「若大将」とも何の共通項はない、と断言している。彼の表現によると、その故郷は「うらぶれた」「貧乏くさい」「排他的で」「惨めな」「地方」であり、「湘南」という呼称すら東京から見た呼び方であって、地元では「湘南」とは呼ばない、と頑なに繰り返すのだ。(pp.33-34)

大胆な表現をすれば、意識しているかどうかは別として、桑田は「植民地化された湘南の土着民」の視点にいるのではないか。そこから見れば、欧米文化をもたらした米軍・アメリカ人はもちろん、東京からやってきた富裕層である石原慎太郎加山雄三も、地縁・血縁共同体の外から来た植民地支配者でしかない。(後略)(p.35)
という箇所も。