殖民地としての神奈川(メモ)

http://postcolonialwriting.blogspot.com/2008/08/blog-post_22.html


野村浩也編『植民者へ―ポストコロニアリズムという挑発』という本へのコメント。私はこの本を読んでいないので、口を差し挟むことはできないのだが、以下のパッセージは興味深いと思った;


もうひとつの問題は、「日本本土」を一枚岩的に扱い、植民地=沖縄と対比させている点である。私見では、東京とアメリカが共謀して作り上げた真の植民地は、沖縄県というよりは神奈川県のほうだからである。たとえば、横浜開港は香港やカルカッタの開港と対比されるべきだし、横須賀市相模原市は日本の軍都として建設され、今では米軍基地となっている。極めつけは、県民がペリー来航を大いに祝い、東京とアメリカに郷愁の念を抱いていることだろう。ちなみに相模原南部に私は住んでいるが、祭りの踊りは「阿波踊り」である。こういう土地こそ植民地と呼ぶのに相応しい。沖縄植民地論を展開している学者たちがそろいもそろって、東京のお膝元が植民地であることを何故見抜けないのか。なかには、神奈川で暮らしたり勉学したりした「無意識のコロン学者」がいるのではないか。
殖民地としての神奈川という問題については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061012/1160664502http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080614/1213420843もご笑覧いただきたい。また、そこで言及した烏賀陽弘道氏の『Jポップの心象風景』をマークしておく。その中で、烏賀陽氏は神奈川県の米軍基地面積が沖縄県に次いで全国2位であることを指摘し、それと桑田佳祐の沖縄への共感を関連づけていた。
Jポップの心象風景 (文春新書)

Jポップの心象風景 (文春新書)

また、最近吉見俊哉『親米と反米』を読了した。
親米と反米―戦後日本の政治的無意識 (岩波新書)

親米と反米―戦後日本の政治的無意識 (岩波新書)