「会社の所有者ではない会社の内部の人間」(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20080803/p1で知ったのだが、


これまでの歴史的経緯や、世界的なトレンドを考えると、

経営を理解してない労働者は、

どんどん居場所がなくなり、年収も下がって

いくと思います。

逆に、経営を理解している労働者は、ますます活躍の場が広がるし、

たとえ運悪く挫折しても、何度でも復活するチャンスが得やすくなっていくと思います。
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080803/p1

岩井克人氏(『会社はこれからどうなるのか』)は、米国型資本主義とは区別される「日本の資本主義」における「サラリーマン」を「会社の所有者ではない会社の内部の人間」=「会社の経営者」であるとして、以下のように言っている;

経営者とは、会社の代表機関であり、(略)「機関」とはORGANの日本語訳で、そのORGANという言葉は、本来は身体の「器官」のことを意味しています。会社とは法律上のヒトですが、事実上は観念的な存在にすぎません。その観念的な存在が、実際に社会のなかでヒトとして機能するためには、頭や目や耳や口や胴体や手足といった器官の役割をはたす生身の人間が絶対に必要なのです。それが経営者です。具体的には、会社の意思を代表するヒトが代表取締役であり、その代表取締役の下で、実際の経営をおこなうさまざまな権限を委譲されているのが経営陣です。
日本の会社の場合、この会社の代表機関という意識が、少なくとも部分的には、法律上たんなる雇われ人にすぎない平社員にまで及んでいるのです。場合によってはブルー・カラーにまで及んでいるのです。経営陣が、会社の頭や目や口であったならば、サラリーマンはその胴体や手足であるというわけです。「サラリーマン経営者」という言葉は、経営者の多くは会社のサラリーマンから出世した人間であるという意味ですが、それは同時に、日本の会社においては、平社員から社長まで、だれまでがサラリーマンで、だれからが経営者であるかをはっきりと分ける境界線がないということも意味しているのです。(後略)(pp.151-152)
会社はこれからどうなるのか

会社はこれからどうなるのか