「外国人だから付き合い方が分からない」など

承前*1

日本大学法学部「弁論部」事件について、『朝日』の記事;


在日学生差別、入部させず 日大弁論部が活動停止

2008年7月19日0時15分


 日本大学法学部(東京都千代田区)の公認サークル「弁論部」で今春、入部希望者の女子学生(21)が在日韓国人であることを上級生らが問題にし、結果として入部を断っていたことが分かった。大学本部は調査の結果、国籍・民族差別があったと認定。同部は先月末から活動を停止している。

 この女子学生は韓国籍の在日3世で、今春入学。民族差別で入部を断られたとして、先月上旬、同大本部に母親と申し立てをしていた。

 大学が委嘱した弁護士らによる調査などによると、同部幹部の3、4年生3人が女子学生の受け入れを検討する際、「外国人だから付き合い方が分からない。不安だ」「過激な宗教にかかわっていたら怖い」などと議論していた。

 報告を受けた人権侵害防止委員会(委員長=島方洸一副総長)は「重大な国籍・民族差別事件」と認め、先月末、法学部に再発防止などを要請。弁論部アドバイザー(顧問)の2教授と部員3人は女子学生に対し「心痛をおかけしました」と謝罪した。また、同部は当面の活動を自粛する、との届けを出した。

 しかし一方で、3人は関係者の話し合いの場でも「在日であることを理由に断ったわけではない。差別のつもりはなかった」と主張しており、女子学生側は謝罪を受け入れていない。

 女子学生は4月下旬、サークル勧誘期間中に同部の説明会に出席したが、翌日、4年生部員に呼ばれ入部を断られた。希望していた司法試験対策の研究室と「両立は難しい」。さらに「髪(の色)が明るい」という理由だった。ところが、先月上旬になって同部の友人から「先輩たちは『在日韓国人だと文化的に合わない』と言っていた」と聞き、申し立てをした。(石川智也)
http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY200807160244.html

ところで、「外国人だから付き合い方が分からない」ということだけど、こういうことは現代のグローバル化された資本主義においては、〈負け組〉になる条件のひとつでもあろう。http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20080719/p2では、「大学側の機関が動き、その大学側の機関による調査で、大学の恥になるような内容が公表されているのだから、事実としてあったことを疑う余地はないだろう」と書かれているのだが、たしかにこれはこの大学に入ると〈負け組〉になれますと読めるわけだから、これを公表した大学側の誠意・勇気は認めなければならないだろう。それから、「髪(の色)が明るい」が何故拒否の理由になるのか、わからない。
See also http://d.hatena.ne.jp/oono_n/20080716