「オッサン力」或いはウディ・アレンの『スクープ』

http://d.hatena.ne.jp/font-da/20070428を眺めていて、ウディ・アレンの『スクープ』*1を想い出す。『スクープ』を観ていて、ウディ・アレンスカーレット・ヨハンソンに対する〈父性愛〉のようなものを感じたのだが、やはりfont-daさんに倣って「オッサン力」と言い換えた方がいいのだろう。
ストーリーは、大まかにいえば、偶然に出会ってしまったしがないユダヤ系米国人(というよりもニューヨーカー)のマジシャン(ウディ・アレン)と英国旅行中のジャーナリスト志望の女子学生(スカーレット・ヨハンソン)が大富豪のお貴族様(ヒュー・ジャックマン)の隠された犯罪を暴くというもの。ヨハンソンは調査のプロセスで、ヒュー・ジャックマンと恋に落ちたり、殺されかかったりするのだが、マジシャンのシド(アレン)は身を挺して彼女を支援する。ネタバレ的に鍵言葉をいえば、水泳。それから、何よりもこの映画は言葉のバトルを愉しむべき映画だと思った。ウディ・アレンスカーレット・ヨハンソンが倫敦に紐育訛りの英語を携えて乗り込んできたという感じ。対決の相手は上流階級のクイーンズ・イングリッシュ。また、この映画では、倫敦と並んで、死後の世界が重要な舞台となっているのだが、死ぬと船に乗るというのは古代以来の西洋の伝統か。
これを観て、「うさこ」さんご推奨の『マッチ・ポイント』*2を早く観なくちゃと思っているのだが、まだ観ていない。
ウディ・アレンと倫敦だが、


アレンの作品はアメリカでの興行的な成功が難しいため、ここ数年は資金調達が
困難な状態となってたらしく、出資者が少なくなったことでNYを離れているよう。
予算オーバーで、次回作のパリ撮影を断念した、とか、あまり明るくないニュースばかりですが、
頑張っていただきたいもんです。
http://alesia.exblog.jp/4628803/
という事情があるようだ。
また、SalonのStephanie Zacharekさんはアレンの最近の仕事について、

There have been few career trajectories in recent years more depressing than that of Woody Allen. Allen has been characteristically prolific in the past decade, and yet the movies he's made have left plenty of people wondering why he even bothered. Even his most ardent fans have had to do some pretty fancy two-stepping to make a case for fungus-covered nuggets like "Anything Else" and the possibly even moldier "Melinda and Melinda." Even the widely admired "Match Point" felt like a stiff, overstuffed exercise, a picture made by a desperate filmmaker who felt his relevancy slipping away from him.
http://www.salon.com/ent/movies/review/2006/07/28/scoop/index_np.html
とかなり辛辣なことを書いている。勿論、『スクープ』に対しては好意的なのだが。
「オッサン力」というと、Lost in Translationビル・マーレイもそうなのか。
ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

ロスト・イン・トランスレーション [DVD]

言い忘れたが、『スクープ』は〈メガネ女子萌え〉の人は必見。