姜麗鈞、李萌「蔡元培故居追討622平方米花園」『東方早報』2007年1月24日
教育者であった蔡元培*1の故居は華山路303弄16号にある。http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070104/1167882063で言及した「我家餐庁」のすぐ近く。そこに蔡元培故居があることは知っていたが、入ったことはなかった。蔡元培は1937年10月以来そこに居住し、日本軍の上海侵略の後、香港に疎開して、1940年3月に香港で逝去している。この華山路の家には、1942年以来蔡元培の家族がそこに住み続け、2002年から記念館として一般に公開されている。
上の記事によると、現在の蔡元培故居の隣には622平米の庭園があって、それを巡って、2004年以来、蔡元培の子孫側がその庭園を所有する不動産会社(物業公司)に対して、その庭園はそもそも蔡元培の家の一部だったので、「歴史原貌」を「恢復」せよと主張し、現在係争中である。最近、中国国民党革命委員会(民革)*2が「党派」として、「恢復蔡元培故居原貌的建議」を再度提出している。記事によると、上海の都市開発を規制する「上海城市規画管理局」は蔡元培の息子である蔡懐新氏に対して、「歴史原貌」の「恢復」を支持する見解を示しているという。また、紛争を仲介してきた上海市政治協商会議常任委員で同済大学亜太研究中心主任の蔡建国氏はその庭園は蔡元培故居に帰すべきだとしながら、同時に記念館の拡張を提案している。また、姜麗鈞、李萌「擬建蔡元培図書館」という関連記事によると、静安文史館館長の楊継光氏はその敷地に蔡元培記念図書館を建設することを提案している。