高橋悠治の父(メモ)

 林光「高橋悠治「祖国帰還」のこと・「楽士の席」登録のこと」『月刊百科』530


作曲家・理論家で、戦前のプロレタリア音楽運動の中心的存在で、「インターナショナルの歌」の日本語訳をつくった(実際には何人もの手が複雑に関わっているのだが)高橋均さんは、とりわけ一九三〇年代後半の季刊雑誌「音楽研究」の編集者として、このクニの現代音楽史に名をとどめる(pp.39-40)。
また、高橋悠治が編集した雑誌『トランソニック』の「創刊の辞」を巡って−−「創刊の辞なんて、何百年のあいだ用いられて来た普遍名詞のひとつにすぎないのに、こんにち「創刊の辞」を云々するとき、サルトルと「レ・タン・モデルヌ」を思いうかべないで通りすぎるわけにはいかない」(p.40)。