フランクフルト学派

http://www8.ocn.ne.jp/~senden97/kihonhou_13_123.html


数年前まで、子どもの学力低下歴史修正主義の跋扈もテロの横行も全て〈脱構築〉が悪いといわれていたのに、いつの間にか知的覇権が逆転して、「フランクフルト学派」にオールマイティな能力が与えられているようだ。何しろ、「今日の反戦運動、差別撤廃、フェミニスム、ジェンダーなど、すべてこの学派から出た理論によっている」ということなのだから。
ところで、まさかそんな人はいないと思うけれど、これを参考に社会学とか哲学のレポートを書いた奴は単位を落とす。ルカーチグラムシを「フランクフルト学派」だとした時点でもうアウトでしょう。具体的なテクストの引用*1がないというのもあれだけれど、アクセル・ホネットやクラウス・オッフェという第3世代は勿論のこと、長老であるハーバーマスも言及されていない。さらに、驚くべきことに、アドルノとホルクハイマーの名前もない。これは親鸞聖人に言及せずに浄土真宗を語るようなものだ。
こういう知識というのはどこら辺が発信地なのかなと思うのだけれど、http://d.hatena.ne.jp/boiledema/20061009でも言及されているNH教授辺りなのだろうか。とすれば、ルーマンが外されていることはここ数年の学習の成果といえるのかもしれない。

*1:これは原典を読んでいなくても、孫引き等で幾らでもできる筈だ。