中島貞夫

京都新聞』の記事;


映画監督・中島貞夫さん死去 88歳、京都映画界の顔「893愚連隊」「多十郎殉愛記」
2023年6月15日 13:22


 京都・太秦東映京都撮影所を拠点に活躍し、63本もの監督作品を生むなど、京都映画界の顔だった映画監督、中島貞夫(なかじま・さだお)さん*1が11日、死去したことが分かった。88歳。千葉県出身。自宅は京都市内。密葬は近親者で行った。


 東京大文学部卒業後、1959年に東映入社。京都に配属となり、助監督として経験を積んだ。64年、女忍者ものの「くノ一忍法」で監督デビューした。


 従来の明朗快活な東映の時代劇とは一線を画す路線を開拓。松方弘樹さん主演の現代劇「893愚連(ぐれん)隊」(66年)で日本映画監督協会新人賞を受けた。


 東映京都のエースとして硬軟多彩な監督作を誇り、菅原文太さん主演「まむしの兄弟」(71年~)、「沖縄やくざ戦争」(76年)*2、「日本の首領(ドン)」(77年~)*3といったヤクザ映画、「木枯(こがら)し紋次郎」(72年)や「真田幸村の謀略」(79年)などの時代劇、宮尾登美子さん原作「序の舞」(84年)などの文芸作品でも腕をふるった。


 87年に大阪芸術大教授に就任。京都映画祭(97~2012年)では総合プロデューサー。2014年に始まった京都国際映画祭では名誉実行委員長を務めた。


80代になっても、63本目の監督作「多十郎殉愛(じゅんあい)記」(2019年)を撮るなど、時代劇の伝承に力を注いだ。06年に牧野省三賞、20年に日本アカデミー賞会長功労賞を受けた。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1046011

中島貞夫は、従来の任侠映画から実録やくざ映画に転じた1970年代の東映を、深作欣二とともに代表した監督であり、実録路線の変容や終焉を自ら見届けた人だったといえるだろう。そういえば、1983年の『人生劇場』は深作欣二佐藤純彌との共同監督作品だった。See also


東映株式会社「映画監督 中島貞夫氏 訃報」https://www.toei.co.jp/company/press/1232124_2819.html