対極?

統一協会の「カジノ」話*1が今頃になって取り上げられている。

TBSの報道;


検証15弾 教団幹部がラスベガスで“カジノ遊興”疑惑 旧統一教会の内部資料を独自入手【報道特集
12/17(土) 20:26配信



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統一教会・検証第15弾。韓鶴子総裁ら教団幹部がラスベガスでカジノに興じていたことがわかる資料や証言を独自入手。「VVIP(超重要人物)扱いだった」という遊興ぶりと、その資金源とは…


献金の使い道は…「カジノ」 使用金額は約34億円との記載も
信者やその家族を苦しめる旧統一教会への献金。一体どのように使われているのか。
教団の関連団体が公開した映像で、韓鶴子総裁は…

韓鶴子総裁「先ほども言いましたが、このラスベガスでお父様が摂理をされたのは世界復帰のためです」

「摂理」とは教団の教えを広める運動のこと。教団ではラスベガスは“サタンの街”と位置づけられている。地獄から天国につくりかえようという理由で信者を集め、文鮮明氏や韓鶴子氏らが教えを説く“ラスベガス摂理”が行われるという。

教団の関連団体が発行する雑誌にも、ラスベガス摂理のリポートが掲載されていた。だがその実態は…

報道特集が入手した、ラスベガスのカジノを経営する会社が作成した資料がある。その宛先には「 To: Hak J Han(韓鶴子様へ)」との記載が。
韓鶴子氏と教団幹部11人が2008年~2011年の4年間で、カジノで使った金額や収支が記載されていた。

今も教団の韓国教会に所属する古参の信者が取材に応じた。

現役の古参信者「摂理とは関係ない所に使われたのです。ラスベガス摂理という名の下で韓鶴子総裁をはじめ幹部らが賭博に使ったのです。信者たちが汗と涙を流して捧げた献金なのです」

膳場貴子キャスター「これだけのお金をカジノで使っているということは、ラスベガスでは凄いVIP待遇だったのでしょうね」

現役の古参信者「VVIP(超重要人物)の扱いを受けていますね。VIPルームには専用の金庫まであると聞きました」

アメリカで文鮮明一家の使用人だった元信者が取材に応じた。韓鶴子氏は頻繁にカジノへ通ったといい、特に好んでいたギャンブルがあるという。

文鮮明一家の元使用人「スロットマシーンですね。あそこのスロットマシーンは換金率がいいとか、スロットマシーンの出が良いのはどこどこだとか、一発で当たると何千万というのがある。『私が行った日には当たったのよ』と聞いていた。異常に詳しかったです。何で詳しいのかなと、はっきり言って思っていました、真の父母がですね」

現役の古参信者「韓鶴子総裁らが脱税に問われる恐れがあったのです」

教団はカジノ側に明細書を発行してもらうなどしてアメリカの税務当局に申告、納税したという。


■カジノの資金源は「日本人信者の献金
では、カジノの資金源は何なのだろうか。

現役の古参信者「資金源は日本の信者の献金です」

現役の古参信者が見せてくれたのは教団の内部文書、日本人信者らの献金の詳細が記された“ラスベガス献金リスト”だ。

「LIST OF PERSONS FROM JAPAN TO LAS VEGAS(日本からラスベガスへ渡った人のリスト)」と題され、日本人信者らの名前と、出入国の年月日、献金額がドルで表記されている。

2009年から2011年までの約3年間のもので、リストに名を連ねた信者らは1256人。献金の総額は約951万ドル、2011年のレートで換算すると日本円で約7億6000万円だ。
この資料は、カジノの資金源が信者からの献金であることを示すために、教団がアメリカの税務当局に提出したものだという。

このリストに名前が載っていた男性が取材に応じた。

ラスベガス摂理に参加した元教会長「知らなかったですね。ギャンブルをしたことは」

統一教会の教会長だった男性。今は教団から離れているが、かつてラスベガスツアーに参加した1人だ。参加した信者たちはみな、多額の現金を持参したという。

元教会長「現金を封筒で持っていく。封筒の中に入れてポケットやカバンに入れて直接、献金を持っていく」

元教会長「税関に引っかからない程度の献金額ではなかったかと思う」

膳場キャスター「献金額は自分で決めるんではなくて、教団からいくらというふうに指示される?」

元教会長「はい」

現金を移動させた記録が税関などに残らないことから、教団ではよく使われる献金手法だという。また教団関係者によると、金はラスベガスに建てられた「天和宮」という教団施設の大きな金庫に保管されたという。

膳場キャスター「現地では何をしていたのですか。現地でしなければいけないプログラムや研修とかなかったんですか?」

元教会長「そういうのはないです。グランド・キャニオン国立公園などをまわりながら観光した。全国から集まった信者たちとともに、観光地をまわった」

ラスベガスには数日いたが、文鮮明夫妻が信者たちの前に姿を見せたのは1度だけだったという。

元教会長「知らなかったですね、ギャンブルしたことは。力が抜ける。自分としては衝撃。食口(信者)たちのことを考えると涙が出る。献金をするために大変な労働をしている。それでも足りない場合はカード…借金で。なのにギャンブルで簡単に、膨大なお金を無くしてしまうのは、到底理解ができない」

これらラスベガスのカジノでの遊興について日韓の教団本部に取材を申し込んだところ、日本の本部からこのような回答があった。

統一教会 日本本部「確認したところ、貴番組が入手した情報は当法人にとって事実無根であるようですので、この度のご回答の方は控えさせていただきます」

ラスベガスツアーには、Vtuber「デビル」という名で被害を訴える元2世信者・Aさんの母親も参加していたという。

元2世信者 Aさん「自分たちが捧げてきたお金が、娯楽に消えていってるっていう…総裁である韓鶴子さんが自らカジノにつぎ込むなんて、そのお金は自分たちが借金してでも、大学進学を諦めても捧げてきたお金なのに、それを一瞬で溶かされて…腹が立ちますし、やるせないです」

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https://news.yahoo.co.jp/articles/35963a25556e6afd6c89262aa6cb1d36f27e5268

まあ、食口(信者)の方々は、日本政界工作とか北朝鮮のミサイル資金*2に使われるよりも、ラス・ヴェガスで溶けてよかったよね、と納得するしかないだろう。
ところで、統一協会の教義で禁止されている筈の博打に教祖夫婦が嵌ったわけだけど、前々から思っていたことを述べると、統一協会というのは或る意味で(基督教やイスラームの)原理主義者の対極にあるのではないかということだ*3。ぶっちゃけた話、タリバンが〈壺〉(に類したもの)を売りつけるなんて、到底考えられないよね。統一協会の教義や戒律、宗教的/政治的主張というのは、少なくとも表面に現れている限りでは、信者を支配したり、外部の人間を恫喝して金を巻き上げたりするためのネタにすぎないのではないか? だから、統一協会が反共なのか親共なのか、親日なのか反日なのか、というのは或る意味でどうでもいいことなのだと思う。文鮮明にとって反日が都合よければ反日になって、親日が都合よければ親日になるという感じ。
勿論、そうしたネタ(方便)を取り去った後に残る統一協会のコアとは何かということを探ることは、宗教学的或いは思想史的には重要なことなのだろうけど。

*1:See https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/08/09/100737

*2:See 「文藝春秋」編集部「〈ペンタゴン文書入手〉北朝鮮ミサイル開発を支える統一教会マネー4500億円」https://bunshun.jp/articles/-/59192

*3:因みに、あのオウム真理教原理主義の対極にある。