癌と闘わなかった!

時事通信の記事;


医師の近藤誠さん死去、73歳 「患者よ、がんと闘うな」著者
8/15(月) 11:33配信


時事通信

 近藤 誠さん(こんどう・まこと=医師)*113日午前11時51分、虚血性心不全のため東京都渋谷区の病院で死去、73歳。

 東京都出身。葬儀は近親者で執り行う。

 慶応大病院に勤め、乳がん治療で乳房摘出が一般的だった80年代から温存療法を提唱。96年の「患者よ、がんと闘うな」、12年の「医者に殺されない47の心得」がベストセラーになった。がん治療の先駆的な意見の発表により、同年に菊池寛賞を受賞した。

 13年に近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来を設立。13日に出勤途中のタクシー車内で体調を崩したといい、搬送先の病院で死亡が確認された。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2388cdc292dc8601bab4937cb8152c743fd71b81

「がんと闘う」ことはなかった!
ほぼ同世代で、長年癌と闘い続けてきたオリヴィア・ニュートン=ジョン*2の後を追っての死、というところが興味深い。
2013年の『週刊朝日』の記事を再構成した「がん放置療法の近藤誠医師死去 かつて語った「一人の意見は『抗がん剤をやめさせる』根拠にはなる」」*3から引用しておく;

 近藤医師は1980年代から、「がんを見つけたら手術や抗がん剤治療をしたほうがいい」という通念に誤りがあると指摘してきた。その主張は、がん放置療法と呼ばれ、医師任せだった患者に「医師を疑う」視点を喚起させた。しかし、科学的根拠を重視する医学界からは相手にされてこなかった。

 それゆえか、持論を学会の論文などではなく、一般向けの書籍や雑誌でしか発表してこなかった。

「かつては学術的な論文を投稿していたが、医学界は何も変わらなかった。医学界にものを言ってもダメだという悲観がある。一般向けに発表したほうが、効率的に私の主張を発信できるからね」

 と、近藤医師は話す。

「その内容は、現在の医療の常識とはかけ離れた主張で、しかも断定的な論調で書かれている」というのが重要であるようだ。
近藤自身も

(前略)今回(の『医者に殺されない47の心得』)は、結論だけ書いてある。いちいち論文根拠は示さない。そうするとわかりやすくなる。それは執筆にあたって工夫したところで、それゆえに読者の支持を得ているわけ」