そこにも馴鹿

スコットランドの高地地方にもトナカイ*1がいるというのは知らなかった。とはいっても、1950年代初めに瑞典から移殖されたもの。また、興味深かったのは、トナカイたちは1年のうち8か月は野生状態で暮らしていて、残りの4か月はクリスマスの橇を曳くために山を降りて、人間と暮らしている。
ところで、和名の「トナカイ」はアイヌ語起源。


日本には野生のトナカイは生息していませんが、「トナカイ」という和名はアイヌ語の「トゥナカイ」から来ています。

なぜ北海道に生息していないはずのトナカイの名がアイヌ語としてあるのでしょう?

アイヌ民族は北海道だけでなくサハリンや千島列島にも居住していました。さらに別の大陸の民族とも交流があったためトナカイとも関わりがあったと考えられます。実際にトナカイの角でできた装飾品などが北海道内の遺跡からも見つかっていますが、これは交易で運ばれたものと考えられているようです。
(知床自然センター「トナカイは何語?」https://center.shiretoko.or.jp/natureblog/2018/12/8890.html

どのような人たちが「 トゥナカイ」に似た呼称を使っていたのか? 「別の大陸の民族」といっても、ツングース系の人々ではないようだ。「アルタイ系ツングース人の言葉では「オロン (oron)」「オロ (oro)」「オヨン (ojon)」「オロン・ブク (oron buku)」「ホラ (hora)」「ホラナ (horana)」等と呼ばれている」*2