岡山にある「福岡」の起源

岡本智博*1「福岡県の県名の由来となった岡山県の福岡へ」https://dailyportalz.jp/kiji/Fukuoka-in-Okayama


「福岡県」や「福岡市」の「福岡」という地名の起源は現在の岡山県瀬戸内市大字福岡、備前国福岡庄に由来する。福岡庄で中世開かれていた「定期市」である「福岡の市」は『一遍聖絵*2に登場することで知られている。初代福岡藩主、黒田長政の5代前の先祖、近江国の領地を失った黒田高政が備前国福岡に移住し、土着する。黒田長政関ヶ原の恩賞として筑前国に領地を得て、その際に築いた城を、備前福岡に因んで「福岡城」と名付け、その城下町も「福岡」とした。新領地を「福岡」としたのは、ここでは「先祖」や「自分のルーツ」へのリスペクト故とされている。ただ、遺憾ながら出典は示せないのだけど、黒田長政平安時代以来の商業都市である博多が気に食わなかったということを読んだことがある。博多を抑圧するために「福岡」にした。それ以来、博多か福岡かというのは、特に外部の人間にとっては混乱の素となっている(笑)。

一遍聖絵 (岩波文庫)

一遍聖絵 (岩波文庫)

  • 発売日: 2000/07/14
  • メディア: 文庫
ところで、黒田高政、黒田重隆黒田職隆黒田長政とみんな名(諱)なのに、どうして黒田官兵衛なのだろうか。黒田孝高ではなく。
関東で「福岡」といえば埼玉県上福岡*3。そもそも入間郡福岡村(後に町)だった。市制が施行される際に、福岡県の福岡と区別するために、既に東武東上線の駅名にも使われていた「上福岡」とした*4。その「上福岡市」も既に存在しないのだっだ。大井町と合併してふじみ野市*5になっていたのだった。