イオンの序列など

熊代亨*1「朝のイオンとストロングゼロhttps://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20171208/1512698681


シロクマ先生の2017年のエントリー。


昔から私は、イオンには「格」があると思っている。「格」というと、面積が大きいとかテナントがたくさん入っているとかそういうものもあろうが、私がイオンの店舗を格付けする際の基準は、食品コーナーで売られているアルコールの種類だ。
 
 「格」の高いイオンの食品コーナーには、さまざまなアルコールが置かれている。
 
 全国各地の日本酒や焼酎、洒落た外国産ビールやシードル。
 ワインで言えば、オーパスワンやボルドーの格付けワイン、ブルゴーニュの特級ワインなどが置かれている店舗だ。
 
 こういった店舗に相当するのは、巨大であか抜けたショッピングモール、それこそイオンモール高松クラスの店舗だ。店舗は明るくて広く、地元の老若男女がちょっと良いものを購入する場所として使っているイオンには、良い酒が置かれている。
 
 これに準じるクラスとして、ワインコーナーが一定の充実をみているイオンがある。シャンパンが3~4種類ほど置かれていて、ボルドーブルゴーニュ、カリフォルニアといった銘醸地のワインは最低限のラインナップが揃っている。日本酒や焼酎にも選択肢がそこそこあって、買うのに困るというほどでもない。中規模のイオンモールや、少し垢抜けたイオンがこれに該当する。
 
 だが、世の中には信じられないほどワインや日本酒や焼酎が充実していないイオンも存在する。どうにも不味い日本産の合成ワインと安いチリワインを並べ、焼酎は、安物のしんどそうな奴がゴロゴロと並び、日本酒も、地元のあまり良くない奴と全国区のこれまたあまりおいしくない奴をズラズラと並べた悲しいイオン。こういうイオンのウイスキーやブランデーの棚がどういう有様になっているのかは、ご想像のとおりである。イオン系列のマックスバリューのたぐいには、このような店舗が少なくない。
 
 あるいは、ショッピングモールなのに食品コーナーにワインや日本酒や焼酎が存在しない、というイオンも存在する。外部のテナントが申し訳程度に(そして比較的高い値段で)ワインや焼酎を商っているのをいいことに、食品コーナーにはビールとハイボールと酎ハイだけを並べている、そんなイオンだ。 
 
 実質、そういったイオンにおいて、いわゆる“良い酒”を買うという選択肢は存在しない。
そうなんだ! 私は両手で数えられるくらいのイオンにしか行ったことがないので、その中の「格」なんてわかるわけはない。ただ、スーパーと酒ということでいうと、イトーヨーカドーでAnchor Steamを買えたときは小さな感動を覚えたものだ*2
それから、「ストロングゼロ」について;

アルコールには、優しいアルコールと厳しいアルコールがあるように思う。
 
 優しいアルコールの筆頭格は赤ワインだ。アルコールがゆっくりと体内に入ってきて、抜けていくスピードも穏やかだ。おいしい熱燗もこれに近い感覚で飲める。
 
 厳しいアルコールの代表格がストロングゼロだ。ぐっと押し込むと、ぐわっと酔いが回る。アルコールの血中濃度が急激に上昇している感じがする。やけに高いアルコール濃度と、申し訳程度についているフレーバーのせいで、単体で飲むと少しきつい。しかし、このアルコール濃度の急上昇が良いという人がいるのはわかる。とうてい身体に良いとは思えないが、アルコール全般が身体に良いわけがないので、些末な違いでしかない。

ストロングゼロは安酒だ。
 
 精神科医としての自分からみると、ストロングゼロは、アルコール依存に向かって突っ走るリスクの高い、良くない飲み物なのだと考えてしまう。アルコール濃度が急激に上下しやすく、もともとのアルコール含有率が高く、妙な甘さのおかげで女性や子どもでも飲めてしまい得るというのは、危なっかしい特徴だ。この酒を常習的かつ大量に飲めば、間違いなく良くない転帰が待っているだろう。