当選しちゃった!


東京新聞』の記事;

那珂市議選告示 排外的な政策に懸念の声

2020年2月11日


 那珂市議選(定数一八)が九日に告示された。立候補者の中で波紋を呼んでいるのが、排外主義政策を掲げる政治団体日本第一党*1の県本部長を務める新人だ。党首の桜井誠氏は、在日コリアンらを排斥するヘイトスピーチ(差別扇動表現)を繰り返した「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長。市民の間では「公の場で外国人を差別するような発言をするのではないか」と不安の声が上がる。 (松村真一郎、佐藤圭)



 この新人候補は、日本第一党が推薦する無所属の原田陽子氏(45)。事務所前で開いた出陣式には、桜井氏は姿を見せなかったものの、党最高顧問の瀬戸弘幸氏ら約三十人が参加した。

 原田氏は第一声で「多文化共生を目指している政治家が昨今、受け入れられているようだが、私は那珂市民の利益と安全を一番に考えた政治家になりたい」と訴えた。マイクを握った後援会関係者は「(原田氏が)われわれが日頃から主張していることを他の市議に伝え、県議や国会議員に波及すれば、左に寄った世の中から、ちゃんとした政治を取り戻すことができる」と気勢を上げた。

 原田氏は二〇一八年七月に党県本部長に就任。同年十二月の那珂市議補選(被選挙数四)に立候補したが、百四十六票差の次点で落選した。

 第一声では排外主義政策に直接言及しなかったが、パンフレットでは、外国人労働者の受け入れを増やす改正出入国管理法が昨年四月に施行されたことなどを念頭に「言葉や文化の違う外国人とのトラブルや外国人による犯罪が増えてくることも考えなければいけない」と明記している。

 原田氏は本紙の取材に「排外主義と言われるが、あちら(韓国や中国)側が反日を唱えていることに対し、自分たちも主張したいという思いが大きい」と説明。その一方、党を前面に押し出さない形で選挙戦を展開する方針だ。「党の主張を訴えるのは無理がある。議員もいないし、知名度もない。難しいとは思うが、怖い団体ではないことを選挙戦を通して見てほしい」

 桜井氏が〇六年十二月に創設した在特会は、一三年ごろに東京・新大久保で社会問題化した嫌韓デモの多くを主導した。桜井氏は一六年の都知事選に出馬し、街頭演説で在日コリアンを中傷した。

 同年八月には日本第一党を結成。移民受け入れ反対や外国人への生活保護廃止などの排外主義政策を打ち出した。昨年四月の統一地方選で各地に十二人を擁立したが、全員落選。原田氏が当選すれば、党初の地方議員が誕生する。

 市民は日本第一党の候補をどう見ているのか。六十代の女性は「日本第一党の関係者が選挙に出ることを知らない人もいる」と指摘した上で、「公の場で差別的な主張をしたとしたら、那珂市はどうなってしまうのか」と不安視する。

 茨城朝鮮初中高級学校(水戸市)への補助金交付を県に求める「朝鮮学校の子供たちの人権を守る会・茨城」の坂本繁雄事務局長(71)も「ヘイトスピーチが法律で規制され、差別的な感情が徐々に薄れてきているのに、日本第一党の候補が選挙に出ることで、差別感情が再び高まることにならないか」と心配する。


◆外国人排斥を助長
ヘイトスピーチ問題に詳しいジャーナリスト安田浩一さん*2の話> 日本第一党は、在特会と組織的には別だが、外国人排斥の主張に変わりはなく、党の幹部には在特会出身が多い。在特会の事実上の後継組織といえる。日本第一党議席を得れば、排外主義にお墨付きを与えかねない。茨城の農業は外国人労働者に支えられており、外国人差別に拍車がかかるのではないかと危惧している。
(後略)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/202002/CK2020021102000155.html

安田浩一氏のロジックを敷衍すれば、今回の結果によって、「排外主義」は「お墨付き」をもらったことになる。