小田切的には?

承前*1

小田切秀雄の「豊熟する大正文学」というテクスト*2から抜書きしたエントリーに対して、


kojitaken *3
調べてみましたが、『田舎教師』が1909年(明治42年)、『土』が1912年(明治45年)の単行本初出ですね(『土』は改元の2か月前)。『暗夜行路』は雑誌連載開始が1921年(大正10年)、完結は1937年(昭和12年)でした。 文学 元号
2019/05/26
http://b.hatena.ne.jp/kojitaken/20190526#bookmark-4669253522036515362
という指摘。
田舎教師 (新潮文庫)

田舎教師 (新潮文庫)

土 (新潮文庫)

土 (新潮文庫)

暗夜行路 (新潮文庫)

暗夜行路 (新潮文庫)

どうもお疲れさまでした。さて、小田切は「大正文学は、ほぼ明治の末年から大正の末年近くまで(一九一〇年代から一九二〇年代中頃まで)と見ていい」と述べています(p.9)。つまり、「明治の末年」から文学的には「大正時代」が始まっているということになります。『田舎教師』と『土』は発表されたのは明治」でも文学的には「大正」ということなんですか? とご本人に確認すればいい*4のだけど、小田切は2000年に鬼籍に入っているので*5、いたこでも呼ばない限り、それは無理。ところで、今気づいたのですけど、小田切は「大正の末年近くまで」と書いていますね。「大正の末年」、15年は大正であって「大正」ではない。関東大震災を契機に「大正」は終わったということなのだろうか*6

*1:https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/05/23/113327

*2:ゆりかもめ』(東京都生活文化局コミュニティ文化部)52、pp.8-10、1995

*3:https://kojitaken.hatenablog.com/

*4:何故「斧」になったのか、自分でも意味不明。

*5:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%94%B0%E5%88%87%E7%A7%80%E9%9B%84

*6:See 初見健一「「幸運の手紙/不幸の手紙」の時代背景」http://gakkenmu.jp/column/18034/ https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/03/14/231246