一世多元

『デイリースポーツ』の記事;


2018.11.09.
古市憲寿氏、元号廃止を提案 一方で「もっとたくさん変えてもいい」

 社会学者の古市憲寿氏(33)*1が9日、TOKYO MXの生番組「5時に夢中!」に出演し、元号の廃止を提案した。

 番組では「平成とともにさようならしていいものは?」を特集。古市氏はフリップに「元号」と書いて「平成とともに元号もさよならして、もう元号も使わなくていいんじゃないかな。西暦でいいんじゃないですかね」と提案し、「元号、めんどくさくないですか、なんか。西暦今が何年かとか覚えるとかって」と理由を説明した。

 一方で「それか、もっとポップにたくさん変えてもいいと思うんですよ。今年はちょっと天気が悪い日が続いたから変えましょうとか、今年景気が悪いから変えましょうとか。それぐらいポップに変えたんだったら別にいいんですけど、(1人の天皇に)1個の元号が中途半端だなと思って」と、明治より前の時代のような元号の変更も提案していた。
https://www.daily.co.jp/gossip/2018/11/09/0011805501.shtml

まあ、そもそも「元号」なんて今じゃ政府機関と産経新聞NHK金子勝くらいしか使っていないわけだ(笑)*2。〈一世多元〉の提案には半票入れたい。実現すれば、東亜細亜を横断した(不毛ではない)思想史的論争が期待できるかもしれない。明朝以来中国の主流となった朱子学的合理主義は「今年はちょっと天気が悪い日が続いたから変えましょうとか、今年景気が悪いから変えましょうとか」といった小手先の呪術に皇帝が関わることを退け、その結果として一世一元が採用されたわけだ。江戸時代までの日本では古いヴァージョンの儒学に準拠していたことになる。そして、明治における近代化=中国化の一環として一世一元も採用されたわけだ。一世一元の廃止は脱中国化であるともいえるし、明以前の中国への回帰であるともいえる。