セクハラ、端的に


「性行為が嫌い、子供が嫌い」と発言してきた古市憲寿氏に、「少子化問題を語るのは矛盾している」と指摘
2016年6月18日 21時29分


社会学者の古市憲寿氏が18日、都内で行われた、働く女性を応援するイベント「ELLE Women in Society(エル・ウーマン・イン・ソサイエティ)」*1に出席。トークセッションに臨んだところで、匿名女性から「古市さんは『性行為が嫌い』『子供が嫌い』との発言をしてきた。少子化問題を語るのは矛盾していないか?」との問いかけを受けた。

古市氏は、キッパリ「矛盾していない」と即答。会場からクスクス笑いが起こる中で、「全然、矛盾はしていなくて…何故かというと…」と丁寧に答えていった。

「どんなにセックス好きの人も、一生のうちに、何百人の子供を産めない」

「だって別に…、性的にギラギラしていることと、子供を持つことは違うことだと思う」

「個人として子供を持つ、持たない。家族を作る、作らないっていう話と、社会での少子化問題は、実は全然関係ないからです」

「う〜ん、このこと、どうしても一緒にされがち。例えば、小泉進次郎さんのケースもそう。小泉さんも少子化問題について発言されているんですけど、そういう会議の最後には『小泉さんも早く結婚して、日本の少子化に対して貢献してもらいましょう』という話になって落ち着く。このこと、毎回そうなんです」

「これはこれで、いいんだけど、小泉さんが仮に子供が出来たとしても、子供の数が、"1"増えるだけなんですよ」(爆笑が起こる)

「それよりも、保育園を増やしたり、保育士の方の給与面とかを整備して、産みたい人がちゃんと産める環境を作ることのほうが、社会にとって絶対イイわけですよね」

「だから、個人のことより、社会の役割分担かなって思います」

以上のように、女性参加者に向けて説明を行った古市氏。横で聞いていた司会者は「はい、納得の答えでございました」とアナウンスして、次への質問に移っていった。

同イベントは、雑誌『エル・ジャポン』が2014年にスタートしたもので、今年で3回目。昨年は、約1,000名の働く女性たちが来場しており、今回の中身も「女性と仕事」を考えるセミナーやワークショップが提供されていた。
http://news.livedoor.com/article/detail/11659207/

古市*2の言っていることは正しい。というか、この「匿名女性」の質問というのは端的なセクシュアル・ハラスメントだろう。小泉進次郎がこういうことを言われているというのは知らなかったけれど、男の政治家が女性に対して言えば、炎上することは間違いない。近年の事例で言うと、東京都議会における塩村文夏に対する鈴木章浩の野次*3とか衆議院における上西小百合に対する大西英男の野次とか*4。また、結婚していてもなかなか子どもを作らない(作れない)カップルはこういう揶揄によるプレッシャーに曝されがちだということもある。また、このロジックが極端化すると、少子化問題に対する同性愛者の発言権はないということにもなりかねない。
まあ、何故古市は「性行為が嫌い」なのかというのは個人の生活史の準位において興味深い問題ではある。