- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1997/05/20
- メディア: ハードカバー
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本書のメッセージを一言で言い表すと、「教師や親が悪を排除することによって「よい子」をつくろうと焦ると、結局は大きい悪を招き寄せることになってしまう」(p.37)ということだろう。また、「悪を行なってはならないということは、悪の規準が文化によって差はあるしろ、いかなる文化においても強調されてきたこと」でありながら、「どの文化でも悪人が絶えて無くなるということはない」が(p.46)、それは「人間の心に本来的に悪が存在しているから」だけでなく、「人間生活にある種の意義」、「不思議な両義性」(p.47)を持っているからではないか。このような関心の下で、「創造性」、「盗み」、「うそ」、「秘密」、「いじめ」等が語られていく。最後の「子どもをとりまく悪」は「子ども」が抱える「悪」ではなく、「大人の「善意」がもたらす悪」(p.202)。
I 悪と創造
II 悪とは何か
III 盗み
IV 暴力と攻撃性
V うそ・秘密・性
VI いじめ
VII 子どもをとりまく悪
あとがき
*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180515/1526352150