「わざとぶつかる人」問題

弁護士ドットコムニュース編集部「街中で「わざとぶつかってくるおじさん」は暴行罪の可能性 「女性や子ども標的」SNSで報告相次ぐ」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180524-00007924-bengocom-soci
シマウマ姉さん「街や駅で見かける「わざとぶつかる人」 その理由に衝撃走る」https://sirabee.com/2018/05/10/20161619307/


「わざとぶつかる人」って増えているの? 昔よくいたような、ぶつかって逆に金品を脅し取るカツアゲ系や喧嘩買ってください系じゃなくて、純粋に「ぶつかる」系なわけですよね。『しらべぇ』の記事によると、「池袋」駅で多いという意見もあるようだけど、「わざと」かどうかは知らないけれど、池袋駅は東京のほかのターミナル駅と比べて、よく他人にぶつかるということは、私が大学生だった1980年前半から言われていたような気がする。まあそういう話は(ほぼお約束のように)埼玉差別のオチになって、池袋は都会の雑踏に慣れていない田舎者の埼玉人が多いからだと締めくくられ、聞く方もそうだんなねと納得して、会話は別のトピックに移るという感じだったと思う。
さて、「チビハゲデブの三重苦をかかえた」増田による「わざとぶつかってくる人をやっていた」という〈告白〉*1もある*2。少し引いてみると、


今から数年前、35歳非正規雇用、職場では毎日のように上司に罵倒され深夜までのサービス残業で心身ともにすり減ってるある日、ぼーっと歩いてたら女性にぶつかった。

尻餅をついた彼女を見てビビりの俺は逃げた。通報とかされて急に警察に肩を叩かれたらどうしようとか思いながらも、ちょっとぶつかったたけで簡単に倒れる女性に大袈裟じゃね?という若干の不満と、なんというか征服感のようなものを感じてしまった。

気付いたら日々の鬱憤を晴らすかのように、わざと女性にぶつかるようになっていた。老人はやらなかった、大怪我して最悪死亡とかになったら怖かったので。ベビーカー持ちはよくやった、邪魔だからいいじゃんという考えもあったと思う。

エントリーの後半は、或る事件をきっかけに「ぶつかり屋」から足を洗ったことが語られている。
ここで鍵となるのは、「征服感」ということと「日々の鬱憤を晴らす」ということだろう。こういう動機とか達成感というのは所謂痴漢の人たちとも共通しているんじゃないかと思うのだ。痴漢は(被害者にとっては)性犯罪ではあるが、必ずしも性的興奮によって性欲の充足を目指して行われるわけではなく、自分の「鬱憤を晴らす」ために他人を困難に追い込むことであり、その(加害者にとって)安全なターゲットして、女性などが選ばれるわけだ。

*1:語りの真実性について、「釣り」じゃないかと疑っている人も多い。http://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20180508204813

*2:https://anond.hatelabo.jp/20180508204813