フミコフミオ「はじめてブラのホックを外した夏を覚えているかい?」http://delete-all.hatenablog.com/entry/2018/05/09/190000 *1
曰く、
「勉強してくる」と家族に嘘をついて家から抜け出しては仲間とそこに集まっていた。誰が言いだしたのかわからないが、その屋上は「ヘブン」と呼ばれていた。当時、僕の通っていた高校は、授業のあと、補講という名目で自由参加の受験対策をやっていて、クラスメイトの大半は教室でテキストと格闘していた。その様子をヘブンから眺めるのに飽きてしまうとカセットのウォークマンでロックを聴きながら昼寝ばかりしていた。ガンズ。ニューオーダー。プリンス。ポリス。ストーンローゼス。ハッピーマンデーズ。ニルヴァーナ。それからレッチリ。自分で編集したマイ・ベスト・ロック・テープ。B面の最後はテープが足りなくて、後半のピアノ・パートが丸々カットされていた「いとしのレイラ」。夕方。尻切れトンボのレイラが終わると、僕は、背中とお尻の砂を払ってヘブンをあとにした。仲間たちはひとりふたり脱落していき7月の終わりには2人になってしまう。「ワイルド・バンチ」のように。
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上に挙げられているのは、1991年の洋楽好きの高校生が聴いていた音楽としてはまあ普通のものなのでしょうか。後付けの知識から推測して、「ガンズ」、「ニルヴァーナ」、「レッチリ」とかは、まあそうなんだろうな、と納得できる。ただ、その中でも異色なのはエリック・クラプトン(デレク&ザ・ドミノス)の「いとしのレイラ」。これだけぼちっと70年代。今言ったように、90年代初頭の音楽事情は私にとって空白なので、もしかしてその時期にクラプトン或いは「レイラ」がメジャーなトピックとして浮上するような何かしらの事件があったのかも知れないと勘繰ってしまった。一体、どうなの?
さて、私以上の世代の日本人は、クラプトンを知らない人でも、ロックを知らない人でも、「レイラ」のリフを(曲名も知らぬまま)知っている筈だ。アートネイチャーのCMによって。
下にマークしたのは、ウィントン・マルサリスと共演した、完全にジャズ化された「レイラ」*2。
Wynton Marsalis & Eric Clapton Play The Blues
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