承前*1
日大アメラグ部の関西学院大学ティームに対する「悪質タックル」事件を巡って。
NHKの報道;
『デイリースポーツ』の記事は、
アメフト問題 「反則 意図的に指示したことはない」日大調査
5月16日 18時56分
アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で日大の選手による重大な反則行為があった問題で、日大の内田正人監督は、学内の聞き取り調査に対し、「反則行為を意図的に指示したことはない」と答えていることがわかりました。
今月6日に東京都内で行われた日大と関西学院大の定期戦で、日大の選手が、パスを投げ終えて無防備な状態だった関西学院大の選手に後ろからタックルし、関西学院大の選手は、右ひざなどのけがで全治3週間と診断されました。
この行為をめぐって関西学院大は「選手を傷つけることだけを目的とした意図的で極めて危険かつ悪質な行為」と指摘したうえで、「試合後の監督のコメントは、反則行為を容認するとも受け取れる」として日大に抗議文書を送り、日大は、15日夜、それに対する回答書を関西学院大に届けていました。
日大広報部によりますと、回答書をまとめるにあたって内田監督から話を聞いたところ、「反則行為を意図的に指示したことはない。厳しく戦ってこいという趣旨の発言をした」と話し、反則行為への指示は否定しているということです。
また、タックルをした選手も、「監督から指示されたことはない」と答えているということです。
日大は、事実関係について今後も調査を続けることにしています。
内田監督 厳しい指導で27年ぶり学生日本一に
内田正人監督は日本大学を卒業後、母校に就職してアメリカンフットボール部のコーチを務め、2003年に監督に就任しました。チームは長く低迷していましたが、走り込みを徹底させるなどの厳しい指導で去年、27年ぶりに、学生日本一を決める甲子園ボウル優勝にチームを導きました。選手の育成に定評があり、関東学生アメリカンフットボール連盟の強化委員を務めた経験もあります。
現在、日大の常務理事も務めています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180516/k10011440861000.html
「悪質タックル問題 監督指示は「あり得ない」日大が全否定」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180516-00000097-dal-spo
「日大、悪質反則証言に“食い違い” 選手「監督指示」も広報は全否定」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180517-00000024-dal-spo
NHKの報道は、「 タックルをした選手も、「監督から指示されたことはない」と答えているということです」と「日大広報部」の言い分を伝えている。しかし、『デイリースポーツ』によれば、
また、『スポーツ報知』の「独占入手!タックル謝罪文 日大・内田監督、自身の指示には触れず「選手が違反行為」」という記事*2には、
一方、関係者によると危険なプレーをした守備選手は、6日に都内で行われた定期戦前に「やるなら出す」と、反則行為を条件に出場の機会が与えられたという。同選手は下級生の頃から主力だったが、最近は内田監督から精神的な部分で苦言を呈され、「チーム内で干されている状態だった」という。当該選手は、パスを投げ終えて無防備な状態だった関学大QBに背後から激しくタックルをして負傷退場させた。広報は「監督は『必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ』など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」とし、「(当該選手が監督の話を)どのように受け止めたか、追加で調査する必要がある」とした。
反則行為について「選手、大学生としてあるまじき違反行為」としながら自身の指示については触れず、選手の反則行為について謝罪した。連盟関係者は「選手個人に責任を転嫁する内容だった」などと批判。危険なプレーをした日大の選手が「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と周囲に話していたことも分かった。
『日刊スポーツ』の「日大アメフト監督が指示「反則やるなら出してやる」」という記事*3;
日大側は「アクシデントだった」として監督の関与を否定しているが、複数の関係者によると、内田監督は「最初のプレーで相手QBにけがをさせる。周りから何か言われたら『監督の指示』と言っていい」という趣旨の指示を行った。ほかに「壊せ」との言葉も使い、日大選手は練習や試合前から「試合に出られないのは気合が足りないから」「やる気がない」などと叱責を受けていたという。大学アメフト関係者は「選手は指導者から叱責を受け、追い込まれていた可能性が高い。指導者の責任が一番大きいのではないか」と批判している。
昨今の日本の世論だったら、三択もとい忖度問題にまで踏み込まないと納得しないのでは?
6日に都内で行われた定期戦での危険なプレーについて、日大内で証言が真っ二つとなった。この日、無防備の関学大QBに背後からタックルした日大DLは「『(反則を)やるなら(試合に)出してやる』と監督から言われた」と話していることが判明した。日大関係者によると、反則を犯した選手は、下級生の頃から主力としてプレー。しかし、最近は内田監督から精神面で苦言をていされ「干されている状態だった」と話す関係者もいる。6日の試合前には、家庭の事情で約1週間、練習を欠席。定期戦前に監督から「やるなら出す」と、反則行為を条件に出場機会が与えられたという。同選手は3度の反則行為による退場以降、騒動は拡大の一途で、追い込まれ「部をやめたい」と漏らしている。
一方、日大広報部は、学内の調査に対して内田監督が「違反しろと言っていない」と述べたとし、DLの発言を否定した。広報部によると「監督は『必死で頑張ってこい。戦え。厳しくやれ』など厳しいことは言ったが、違反しろという指示は出していない」とし、コーチや主将らも「監督はそんなことを言っていない」と語った。反則した選手にも聞き取りをしたが「(監督の話を)どのように受け止めたか、追加で調査する必要がある」とした。
See also
「大学怖い…アメフット悪質反則問題で存続危機の声」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180515-00208959-nksports-spo
「日大タックル問題、常務理事・内田監督雲隠れに「大学の意思と思われる」深澤氏指摘」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180516-00000054-dal-spo&pos=3
深澤真紀という人は存じ上げないけど、この問題のハンドリングを誤ることによって、日大が至学館大学の轍を踏む危険は大いにあると言えるだろう*4。
それよりも、わからないのは、(監督の指示があったとして)こういう作戦の必要性やメリットだ。日大は弱小ティームではなくて強豪と言える。そもそも北朝鮮以外の普通の国が〈瀬戸際外交〉をやる必要性やメリットはないわけだ;
「“悪質タックル” 名門校がなぜ?」https://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2018/05/0514.html